UA-119493607-1 気体の状態方程式によるシクロヘキサンの分子量測定 | らくらく理科教室
  • 教材や実験の開発情報

丸底フラスコ内の余剰のシクロヘキサンを気化させます。いったん気化したシクロヘキサンが上部で冷やされて、ビーカー内壁を伝わって落ちていく様子がわかります。これが観察されなくなれば、余分なシクロヘキサンは出て行ったとみなすわけです。その後、フラスコ全体の質量を測定し、存在するシクロヘキサンの質量を求め、気体の状態方程式で分子量を算出します。

 


「実験理論」

  • 沸点が水によって温度を保つことが可能な範囲にある物質の場合、気体の状態方程式によって分子量を求めることが可能である。

 pV = nRT  

実験としては、気体の状態を一定気圧P・温度Tを保ち、その気圧の体積Vと質量m〔g〕がわかれば、物質量(n=m/M)から分子量M〔g/mol〕を求めることができる。

pV = (m/M)RT

  • 容器全体の質量m1をあらかじめ計測しておく。気体となりやすい物質を容器に入れ、その成分がすべて気体となって容器の中に充満している状態(気体の状態方程式が成り立つ)を作り出す。余分の物質は、気化して容器の外部に出ていってしまうので、実際に気体になって充満していた物質の質量mは、実験後の容器全体の質量m2から質量m1を差し引いた値となる。
  • 容器内の物質の質量m = m2 m1  
  • ただし、質量m2はシクロヘキサンがすべて液化して体積0となると仮定している。実際には、シクロヘキサンはすべて液化するわけではなく、一部(蒸気圧分)が空気を追い出している。従って、その蒸気が占めている空気の質量m3に相当する分を加えておく必要がある。(浮力の影響を排除)

正確には、  m = m2  m1 + m3

m2 は、 空気の密度d×フラスコ容器v×シクロヘキサン蒸気の占める割合(シクロヘキサン蒸気圧/大気圧)で求まる。

・空気の密度d:1.17 g/cm3

・フラスコ容器体積v:100 mL(cm3)

・シクロヘキサン蒸気圧:1.2×104 Pa

・大気圧:1.01×104 Pa

上記の数値から1.39×10-4 gと求まるが、精密電子天秤の精度では検出できないほど小さいため、実際の計算上では無視できると考察しておく。 → この部分は「考察」で再度述べておくとレベルが上がる。

「準 備」

【使用器具】

100 mL丸底フラスコ アルミホイル(キャップ用) 精密電子天秤 スタンド 500 mLビーカー 温度計 1 mL駒込ピペット

【使用試薬】

シクロヘキサン C6H12 約1 mL

「操 作」

  • 100 mL丸底フラスコとアルミホイルのキャップホイルの合計質量mを精密電子天秤(設置台には樹脂リングを用いる)にて計測しておく。
  • 丸底フラスコの保温槽をつくる。スタンド・500 mLビーカー水・温度計で構成する。
  • 丸底フラスコに1 mL用駒込ピペットを用いてシクロヘキサン1 mLを入れる。アルミホイルのキャップをして、中央部分に小さなピンホールを空けておく。
  • 水温を85-90 ℃に保つ。過剰なシクロヘキサンがピンホールから放出されたころを見計らって、フラスコをホイルがついたままの質量m2を計測する

「工夫と注意・片付けなど」

  • 過剰のシクロヘキサンが揮発してくるので換気を十分に行う。残液は、有機廃液の指定容器へ。
  • 加温前と加温後のフラスコの状態が変わらない状況に保つ。

◇このブログで発信する情報は、取扱いに注意を要する内容を含んでおり、実験材料・操作、解説の一部を非公開にしてあります。操作に一定のスキル・環境を要しますので、記事や映像を見ただけで実験を行うことは絶対にしないで下さい。詳細は、次の3書(管理者の単著作物)でも扱っているものがありますので参考になさってください。

  


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。