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空き缶にエタノールを入れて点火:少量のエタノールでも、空気との混合比が一定の範囲内になると爆発的な燃焼が起こるというもの。可燃性物質の取り扱いの注意を喚起する実験。
「動画」点火時をスローで観察
「動画」点火口をスローで観察
「動画」理科教育法での演示実験190625:危険なのでマネしないで下さい。
「動画」化学基礎実験
「動画」イベント等での演示用参考動画:マネしないで下さい
「表 題」取り扱いに注意を要する可燃性物質②エタノールの燃焼実験
「目 的」空き缶にエタノールを入れて点火すると、その量が少量であっても激しい燃焼反応が起こりやすい理由を考える。
「実験理論」
[C2H5OH + 3O2 → 2CO2 + 3H2O ]
この反応式は1molのエタノールが3molの酸素と反応して、2molの二酸化炭素、3molの水(水蒸気)が生成することになる。
「準 備」省 略
「操 作」省 略
「動 画」缶切りの操作~点火
「工夫と注意点・片付けなど」
「観察・結果」
「考 察」
爆発が起こる条件:可燃物が爆発を起こすには、ある一定の割合で空気と混合している必要があります。条件により、ガソリンのように危険な可燃物に点火してもメラメラ燃えるだけの場合もあり、反対にろうそくの炎でもガラスを溶解させる高温を作り出すことも可能です。燃料は有機化合物であり、含まれている炭素Cが燃焼してCO2に変化する際に出るエネルギーが利用されるわけですから、空気(酸素)が不十分だと効率よく燃えません。炭素Cが燃え切らない場合が不完全燃焼であり、炎はオレンジ色になりススが出たりするわけです。逆に、多くの酸素に触れてやるようにすると火勢が強くなり、炎は青味がかってきます。燃焼効率が上がるので、温度も高くなるのですが、この効率良い燃焼が極端なかたちで起こるのが爆発という現象です。
爆発が起こる条件(空気との混合比:爆発範囲)は、物質によって違っていて、例えば石油よりガソリンの方が爆発が起こる範囲が広い(爆発しやすい)などと表現されます。
火の扱いは大仕事:学校現場では生徒の火の扱いの下手さ加減がよく話題になりますが、ガスバーナーはおろかマッチを擦ること自体が大仕事です。ところが、そうグチをのたまう先生方の中にも火を直接扱う文化から疎遠な世代が多くなり、火の扱いそのものを敬遠する傾向が出てきているようです。かつてはアルコールランプやガスバーナーは実験道具の定番でしたが、もし事故が起きたらそれこそ大変と、神経質に考えを巡らす傾向が強くなったのでしょうか。それとも、実験準備そのものが面倒で、火を使った実験が相対的に減ったのでしょうか。いずれにせよ、子どもにとってダイナミックな科学現象に出会う機会が少なくなっているということはとても残念なことです。基本的な配慮事項を守ればどうということはないので、安全への配慮を徹底した上で、体験をさせることを大切にしていきたいものです。
もっとも、高校生くらいになるとライターの扱いにやたら手慣れた生徒がたまにいて、理科実験となるとやたら元気に振る舞う者も多いようです。リーダーシップを取ってくれているうちは良いのですが、アルコールを扱っているということを忘れないようにしたいものです。
◇このブログで発信する情報は、取扱いに注意を要する内容を含んでおり、実験材料・操作、解説の一部を非公開にしてあります。操作に一定のスキル・環境を要しますので、記事や映像を見ただけで実験を行うことは絶対にしないで下さい。詳細は、次の3書(管理者の単著作物)でも扱っているものがありますので参考になさってください。