UA-119493607-1 炭酸ナトリウムによる塩酸の中和滴定 | らくらく理科教室
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炭酸ナトリウムの標準溶液を調整、濃度不明の塩酸の濃度を中和滴定により求める実験。

 


実験プリント版

「実験タイトル」炭酸ナトリウム-塩酸の二段階滴定による濃度決定

「サブタイトル」

「キーワード」中和滴定 指示薬 pH 価数

「準 備」

「操 作」

  • 50mLビーカーを精密電子天秤に入れて0gセットする。その後、配布された無水炭酸ナトリウムNa2CO3 を約2g入れてから質量を精秤し記録しておく。
  • 無水炭酸ナトリウムNa2CO3 を少量の水により、ガラス棒を使い完全に溶解させる。その炭酸ナトリウム水溶液を注意深く200 mLメスフラスコに移し、純水を加えていく。洗ビンをうまく使い、ビーカーやガラス棒に炭酸ナトリウムが残らないように、しかも体積は200 mLの標線(!)を超えないように調整する。これにより、塩基である炭酸ナトリウムNa2CO3水溶液の濃度C’が確定する。
  • ホールピペットにより、正確にv’= 10 mL(炭酸ナトリウム水溶液の体積)を吸い上げ、100 mLコニカルビーカーに移す。正確を期すためには、純水を使い内部の炭酸ナトリウムを完全に洗い流す必要がある。
  • コニカルビーカーにフェノールフタレイン指示薬[p・p]を1滴加える。(炭酸ナトリウムの物質量には影響しない)
  • 濃度不明 C [mol/L]の塩酸約50 mLをビーカー(100 mL用)に用意し、ろうとを用いてビュレットに移し入れる。別の受け用ビーカー(100 mL用)を下に準備しておき、ビュレットの先の空気抜きをしておく。受け用ビーカーの塩酸は再利用せず廃棄する。
  • ビュレット先端のしずくを受けビーカーで取り除き、ビュレット中の塩酸の上端が目盛り0より下にきていることを確認しておく。
  • ビュレット中の塩酸の開始時の体積v1を記録する。目盛りは、小数点第2位まで目分量(!)で読み取る。
  • ビュレット下にコニカルビーカーを置き、炭酸ナトリウム水溶液に向かって塩酸を滴下していく。
  • フェノールフタレインの色が完全に消える寸前で止める。第一段階の中和時の体積vm を記録する。→ 結果表へ
  • 今度は、メチルオレンジ指示薬[M・O]を1滴加える。(炭酸ナトリウムの物質量には影響しない)
  • メチルオレンジ指示薬(黄色)の色が完全に変化してしまう寸前で止める。中和の第二段階時の体積v2 を記録する。→ 結果表へ
  • ホールピペットで炭酸ナトリウム水溶液を吸い上げる操作を10回以上繰り返し、データを数多く取得する。ただし、ホールピペットの再利用時には、共洗い操作を行うこと。

「工夫と注意・片付けなど」

  • ガラス器具の先端に注意して洗浄すること。
  • ホールピペットやビュレットは逆さにして乾燥させること。 

「解 説」

1.酸と塩基による中和の原理:酸と塩基が反応すると、酸のH+とOHが反応して水になり、その際に酸と塩基の性質が互いに打ち消されます。このような反応を中和といい、炭酸ナトリウムと塩酸の場合は、次のとおりそれぞれ1 molと2 molで過不足なく中和が起こります。

Na2CO3 + 2HCl → 2NaCl + H2O + CO2

この反応式により、それぞれの価数が2と1であり、塩である塩化ナトリウム2 molと水1 molが生成します。なお、H+やOHの濃度の小さい弱酸や弱塩基の場合でも、中和によってH+とOHが消費されると電離が進んでそれらのイオンが供給されるため、中和反応に必要な物質量は酸塩基の強弱には無関係です。

2・中和滴定の仕組み:a価で濃度c [mol/L]、体積v mLの酸の水溶液に、b価で濃度c’[mol/L]、体積v’mL の塩基の水溶液を加えたとき、過不足なく中和したと考えると、中和反応の量的関係より次式が成り立ちます。

a×c×(v/1000) = b×c’×(v’/1000)

二段階滴定:炭酸ナトリウムと塩酸は、2:1で過不足なく中和します。しかし、実際の中和反応は次のように二段階で進行すると考えることができます。

  • Na2CO3 + HCl → NaCl + NaHCO3
  • NaHCO3 + HCl → NaCl + H2O + CO2

中和にともなうpH曲線も特徴的な二段階曲線となり、①ではフェノールフタレインの変色域(pH8.0-9.8)と重なりますが、反応が完結する②の中和点はやや酸性側で起こるのです。従って、酸と塩基が過不足なく終結する場面では、やや酸性側に変色域(pH 3.1 – 4.4)を持つメチルオレンジを指示薬として用いるのが適切です。


◇このブログで発信する情報は、取扱いに注意を要する内容を含んでおり、実験材料・操作、解説の一部を非公開にしてあります。操作に一定のスキル・環境を要しますので、記事や映像を見ただけで実験を行うことは絶対にしないで下さい。詳細は、次の3書(管理者の単著作物)でも扱っているものがありますので参考になさってください。

  


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