UA-119493607-1 透明セッケン | らくらく理科教室
  • 教材や実験の開発情報

油脂を加水分解することで、脂肪酸ナトリウム(セッケン)を得ます。油脂として牛脂やココナツオイルを用い、グリセリンやスクロースを透明化剤として透明セッケンを作ってみました。

実験プリント版

「実験タイトル」油脂の加水分解による脂肪酸ナトリウムの生成

「サブタイトル」

「準 備」「操 作」web非公開

「画 像」グリセリンとグラニュー糖で透明度を上げてみました。色素は天然のシコニンを添加。

「画 像」油脂とエタノール-水層が分離しているように見えるが、エタノールを加えることで反応がスムーズに行われる。

「画 像」色をつけずに型から取り出したまま 

「解 説」

1.油脂はエステル化合物:油脂は、グリセリン(三価のアルコール)と脂肪酸(カルボン酸)のエステルである。油脂は、グリセリン(三価のアルコール)と脂肪酸(カルボン酸)のエステルである。自然界には数多くの脂肪酸が存在する上、グリセリンの持つ三か所のヒドロキシ基部とエステル結合をする関係、その組み合わせも膨大なものとなる。分子量が大きいため常温で固体のものが多いが、芳香や色も様々である。工業的にも大変重要な物質である。

CH2-OH   HO-CO-R      CH2-O-CO-R1

|                   |

CH2-OH +   HO-CO-R2 → CH2-O-CO-R2

|                     |

CH2-OH         HO-CO-R3        CH2-O-CO-R3

グリセリン    脂肪酸            油脂(エステル)

2.油脂をアルカリで加水分解するとセッケンが生成する:エステルは酸やアルカリによって、エステルを構成していた元のアルコールとカルボン酸に加水分解することができる。油脂も同様に加水分解して、グリセリンと脂肪酸が生成する。特にアルカリを用いると脂肪酸はアルカリ塩の化合物となり、この物質がセッケンである。この加水分解の作業をけん(鹸)化と呼び、特に1 gの油脂をけん化するのに必要なアルカリ(水酸化カリウム)の質量mgをけん化価という。油脂を構成する炭化水素基(反応式中のR1・R2・R3)の種類により、分子量が大きい油脂ほど、けん化価が小さくなる。

CH2-O-CO-R1                 CH2-OH         NaO-CO-R1

|                                         |

CH2-O-CO-R2 + 3NaOH  →   CH2-OH     +   NaO-CO-R2

|             水酸化ナトリウム     |

CH2-O-CO-R3                       CH2-OH         NaO-CO-R3

油脂(エステル)           グリセリン    石けん

3.石ケンの性質

(1)構造上の特徴:石ケンは、脂肪酸エステルのことであり、一般式はR1-CO-ONa。水に溶けにくい疎水基(炭化水素鎖)と水に溶けやすい親水基(カルボキシル基)を合わせ持っているため、油にも水にも溶けやすい。

(2)界面活性剤:水溶液中で、疎水基を内側に、親水基を外側にした球体(ミセルコロイド)をつくっており、その中心に油を取り込む(乳化)ことができる。繊維に付着した油汚れが落ちやすくなるのは、この乳化作用のためである。ただし、石灰水を加えると沈殿が起こったように、Ca2+やMg2+を含む硬水中では、石けんとしての役割を果たしにくくなる。 → □合成洗剤

(3)石ケンの由来:その昔、古代ローマ時代のサポー(Sapo)の丘の神殿で、いけにえの羊を焼いて神に供えるという神事が行われていた。焼けて滴り落ちる羊の油脂が、木の灰(アルカリ:塩基性酸化物)と反応し、石ケンが偶然にできたという。それが浸み込んだ土は、汚れを落とす不思議な土として大切にされた。サポー(Sapo)が、石けん(soap:ソープ)の語源とされている理由である。

〇参考:山田暢司,化学実験室,工学社,2016,115

◇このブログで発信する情報は、取扱いに注意を要する内容を含んでおり、実験材料・操作、解説の一部を非公開にしてあります。操作に一定のスキル・環境を要しますので、記事や映像を見ただけで実験を行うことは絶対にしないで下さい。詳細は、次の3書(管理者の単著作物)でも扱っているものがありますので参考になさってください。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です