UA-119493607-1 交通信号のように次々と色変化 | らくらく理科教室
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液体を振るとボトル内の酸素により色素のインジゴカルミンの酸化反応が進むが、静置する間にグルコースにより還元されるというもの。容器を振っては静置を繰り返すことで、色素の酸化還元反応に伴う色変化(緑・赤・黄)が観察できます。

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「動 画」理科教育法:教材研究での実践例

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「学習項目」

有機化合物の酸化還元反応 グルコースの還元性

「解 説」

  1. 振り混ぜて静置で色変わりを繰り返す

試薬を調整すると溶液は黄色になりますが、激しく振り混ぜると緑色に。そのまま静置すれば、いったん赤色になり、さらに黄色に戻るという色変化が楽しめます。しかも、何度か操作を繰り返すことが可能で、マジック的な要素もあり、大きなペットボトルを使うと、より演示効果は大きい実験です。水溶液の温度を高めるのは、反応速度を大きくするためで、温度により反応が影響を受けることも理解しやすい。多くの実験書には、丸底フラスコとゴム栓を使った例が紹介されていますが、手を滑らせてフラスを落下させたり、ゴム栓を押さえずに振ったために水酸化ナトリウムが飛び出してしまう危険性もあります。ペットボトルは持ちやすく落としても割れない上、キャプがスクリュー式なので安全性も高いので、実験容器として推奨したい。ただし、アルカリによって劣化していくので、長期間の使用は避けます。

  1. 酸化還元反応が連続的に起こる

インジゴカルミンの還元型は、黄色を呈しますが、空気中の酸素と反応することで(①)、分子内の五員環に結合する2つの水酸基の水素が奪われた酸化型(緑色)を形成します。しかし、そのまま静置すると、溶液中のグルコースの還元作用が働き、水酸基が一つ形成される中間型(赤色)となります。(②) さらに、そのまま静置すると、やはりグルコースにより、もうひとつの水酸基が回復して、もとの還元型(黄色)型に戻るのです。(③) いったん空気中の酸素により酸化された色素が、グルコースの段階的な還元作用により、構造変化に伴う色の変化を起こすという反応となっています。アルカリ溶液にすることで、グルコースのような還元糖が酸化され、グルコン酸への反応がしやすくなるためと考えられています。反応機構は複雑ですが、反応を簡略化して示すと次のようになる。インジゴカルミン(Indigo carmine)C16H8N2Na2O8S2は、□で表してあります。

①激しく振る □・H+ O→ □+2OH

(還元型:黄)    (酸化型:緑)

②静置する □+OH– +C6H12O6→□・H+C6H12O7

(酸化型:緑)(グルコース)(中間型:赤)グルコン酸

③さらに静置  □・H+OH+C6H12O6→□・H2+C6H12O7

(中間型:赤)(グルコース)   (還元型:黄)グルコン酸

「画 像」

(還元型)

(酸化型)

(中間型)

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「実験プリント」理教法実践例:一部

理教法_補足実験    2019.6.11

学籍番号[    ]氏名[       ]

「表 題」

インジゴカルミンの酸化反応に伴う色変化の観察

「目 的」

三色に色変わりする液体の観察を通して物質の構造変化の仕組みを学ぶとともに、強アルカリを用いた実験操作に習熟する。

「実験理論」

1.三色に色変わりする

液体をかき混ぜるだけで、黄色い水溶液がぱあっと赤くなり、強くかき混ぜると今度は緑色になる。しかし、そのまま静置すると、次第に緑色から赤色に、そしてもとの黄色に戻ってしまう。またかき混ぜると同じような変化が見られ、何度も色の変化を楽しむことができる。この不思議な化学反応を、三色に光の色が入れ替わる信号機に見立て、交通信号反応と呼ぶこともある。色の変わる順序は信号機とちょっと違うが、マジック的な要素もあって人気のある実験となっている。

2.二段階の反応が連続的に起こる

色素の正体は、インジゴカルミン(Indigo carmine C16H8N2Na2O8S2)という物質である。その水溶液は、酸素濃度の低いところでは還元型(黄色)だが、水溶液を少しかき混ぜて酸素と反応させると中間型(赤色)となる。インジゴカルミンは、□で表してある。

□・H2   → □・H

(還元型:黄)  (中間型:赤)

さらに多くの酸素と反応することで、酸化型(緑色)を呈する。

□・H  → □

(中間型:赤)  (酸化型:緑)

これらは、いずれもインジゴカルミンの分子構造が変化することで、色が異なって見えるというものだ。また、酸素の絶妙な濃度バランスの上に成り立っていて、酸素の濃度が低下していくことで逆反応による色の変化も観察される。この二段階の変化をまとめると…

還元型 ⇔ 中間型 ⇔ 酸化型

(黄色)  (赤色)   (緑色)

3.グルコースの還元作用も働く

酸素の濃度低下だが、水溶液にはグルコースが加えられており、これが酸化したインジゴカルミンから酸素を引き抜く還元剤としての役割を果たしている。静置すると次第に色が緑→赤→黄のように戻っていくのはこのためである。また、インジゴカルミン分子は、可逆的に形を変えているだけなので、酸素の関わりによって同様な色の変化を繰り返す。なお、水酸化カリウムの存在や温度にも大きな影響を受けやすい反応でもある。

「準 備」

200 mL三角フラスコ 水酸化ナトリウム NaOH x g(1.6 g~3.0 g) お湯(約30℃) グルコースy g(0.6 g~2.0 g) 薬包紙 インジゴカルミン水溶液(1%)1 mL 1mL駒込ピペット シリコン栓

「操作手順」2人1組

1.200 mL三角フラスコに、水酸化ナトリウム NaOH x gを入れ、約30 ℃に暖めておいたお湯を加え全体量を約150 mLとし完全に溶解させる。ただし、水酸化ナトリウム x gは、6 g~3.0 gの任意の値とし記録しておく。

x = (    )g

2.グルコースy gを薬包紙に取り、三角フラスコに入れて完全に溶かす。ただし、グルコース y gは、6 g~2.0 gの任意の値とし、記録しておく。

y = (    )g

3.インジゴカルミン水溶液(1%)1 mLを試験管にとっておき、1mL駒込ピペットを用いて三角フラスコに少しずつ加えていく。 → 全部加えず少し残しておき、色が薄いと感じた場合は、あとで追加する。

4.三角フラスコにシリコン栓をし、全体を軽く振る。 → 静置 → 激しく振る → 静置 を繰り返し色の変化を観察する。

「注意事項」

  • 三角フラスコを振る際は、シリコン栓を親指で押さえる。
  • 色の変化が鈍いと感じたら、インジゴカーミン水溶液を少し追加してみる。

「片付け」

廃液は流してよい

「操作・観察」

「教材研究」

  1. 教育課程上の位置づけ・指導項目
  2. 指導上の留意点・工夫

⑴色の変化と化学反応をどのように関連づけるか?

⑵温度や濃度の影響をどのように指導するか?

⑶注意すべき点

①劇薬使用:

②廃棄処理:

③操作上の工夫点:

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◇このブログで発信している実験は、取扱いに注意を要する操作や試薬が含まれています。記事や映像を見ただけでは、実験することのないようにお願いします。実験の詳細につきましては、次の実験3書が参考になります。

 


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