カルシウムカーバイド(炭化カルシウム)と水を反応させるとアセチレンが気体となって生成してきます。アセチレンは、無色無臭の可燃性気体で、点火すると黒いススを出しながら燃焼します。
「動 画」炭化カルシウムと水の反応でアセチレンが発生
「動 画」レトロなカーバイド灯:なかなか明るい
「実験タイトル」アセチレンガスを燃焼させる
「サブタイトル」あせらないでアセチレン!
「キーワード」炭化水素 アルキン 付加反応 不完全燃焼
「準備物」「操作」WEB非公開
「注意事項」
1. カルシウムカーバイドは、完全に水と反応させて使い切ること。
2. 発生したアセチレンガスは、爆発しやすいので、容器や袋に捕集して点火してはならない。
3. 煤(スス)が出るので汚れやすくなる。換気にも注意する。
「解 説」
1. アセチレンは可燃性ガス:カルシウムカーバイド(炭化カルシウム)を水と反応させると、熱を伴いながらアセチレンが発生します。反応後は、水酸化カルシウムも生成するため、水溶液は塩基性となり、フェノールフタレインが赤紫色を呈します。
CaC2 + 2H2O → C2H2 + Ca(OH)2
アセチレンは、ほとんど水に溶けないので、捕集して体積を計測することもできます。発生してきたガスに注意しながら点火すると、試験管上で炎を出して燃え、そのままたいまつのように燃え続けます。燃焼とともに多量の煤(すす)が発生しますが、分子全体に占める炭素の割合が大きい(重量比92.3%)ため、不完全燃焼を起こしやすいためと考えられます。ただし、燃焼速度が速く燃焼範囲も可燃性ガスの中で水素よりも…
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2C2H2 + 5O2 → 4CO2 + 2H2O
C2H2 + 5/2O2 = 2CO2 + H2O + 1300 kJ
2. 三重結合を持つ炭化水素「アルキン」:アセチレン(構造式:H-C≡C-H)は、炭素数2の炭化水素で、三重結合を持つアルキンです。完全燃焼させると3000℃を超える高温をもたらすので、金属加工・溶接等に多用されています。また、炭素間三重結合を持つため、さまざまな物質の合成原料となり、ベンゼン(環)と並ぶ有機合成化学の中心的な物質となっています。アセチレンから合成される化合物の例としては、エチレン、アセトアルデヒド、ベンゼン、アクリロニトリル、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアセチレン、ポリアセチレンなどがあります。なお、19~20世紀初頭には、アセチレンランプとして…
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◇このブログで発信する情報は、取扱いに注意を要する内容を含んでおり、実験材料・操作、解説の一部を非公開にしてあります。操作に一定のスキル・環境を要しますので、記事や映像を見ただけで実験を行うことは絶対にしないで下さい。詳細は、次の3書(管理者の単著作物)でも扱っているものがありますので参考になさってください。