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防災グッズはもちろん、コンサート会場でもよく見かけるようになったあの不思議な光り物。そういえば、祭りの夜店でも光るアクセサリーとしてすでに定番化。電気がなくても明るく光るグッズ、よくみると中は液体のようです。光とは、お日様や物が燃えて炎を出す時、あるいは照明の電源を入れた時にお目にかかれるものと相場は決まっていたのですが、液体が光るとは一体…?

「動 画」試薬(シュウ酸ビス)を用いて

「動 画」シュウ酸ビス溶液を蛍光和紙の折り鶴にふりかけてみた

冷却管(お湯で温める用)に通して見栄え改善を試みたのですが、結構手間がかかりました。もちろん洗浄も面倒にはなるのであまりおすすめできません。

「解 説」化学発光は、化学反応の結果、いったん励起状態の化学種が生じ、それが基底状態にもどる時に余剰のエネルギーを光として放出する現象です。一般の反応の前後では、熱エネルギーの出入りを伴うことが多いのですが、この種の反応では光エネルギーへの変換が効率よく行われ、熱をほとんど発生しません。これを 冷光ということもあり、この反応機構を体内でうまく行う生物も多数知られています。実験でもちいているシュウ酸ビス試薬は、化学発光の実験の定番試薬で、Rはトリクロロフェニル基、過酸化水素と反応して安定な活性中間体(※)をつくる物質です。この物質がペリレンのような蛍光物質を活性化、励起状態に引き上げると考えられています。

R-O-C=O          O-C=O
|       + H22 →  | |
R-O-C=O          O-C=O
※中間体

反応機構はルミノールに似てはいますが、光の強さという点では、こちらシュウ酸ビスがはるかに勝ります。化学発光は、舞台効果や防災具、レジャー(キャンプ、つり具など)向けの製品をはじめ、幅広く利用されるようになっています。


◇古い動画です

「動 画」蛍雪の功?発光で文字が読める。

「動 画」回収した廃液にお湯を注ぐ(換気注意!)

◇このブログで発信する情報は、取扱いに注意を要する内容を含んでおり、実験材料・操作、解説の一部を非公開にしてあります。操作に一定のスキル・環境を要しますので、記事や映像を見ただけで実験を行うことは絶対にしないで下さい。詳細は、次の3書(管理者の単著作物)でも扱っているものがありますので参考になさってください。

  


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