UA-119493607-1 美しい化学の庭園:ケミカルガーデン | らくらく理科教室
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透明なケイ酸ナトリウム水溶液に数種類の金属塩結晶をぱらぱらと振り落とします…すると、結晶のあたりから枝のようなものがどんどん伸びていきます。短時間に、カラフルな枝が密集してきて、まるでガラス容器の中に庭や林ができあがったかのようです。

「動 画」カラフルな枝が勢いよく伸びてくる

実験プリント版

「実験タイトル」ケミカルガーデン

「サブタイトル」カラフルな枝が伸びていく

「キーワード」中和 ゲル 浸透圧

「準 備」

200 mLビーカー ケイ酸ナトリウム60 g お湯(約30 ℃) 金属塩(塩化コバルト(Ⅱ)など各0.5 g)

「操 作」

  1. 200 mLビーカーにケイ酸ナトリウム60 gをとり、お湯(約30 ℃)を加えて、全体量を200 mLとする。ケイ酸ナトリウムの濃度としては、30 %程度となる。
  2. 塩化コバルト(Ⅱ)・硫酸鉄(Ⅱ)(Ⅲ)・硫酸銅(Ⅱ)・塩化ニッケル(Ⅱ)・硫酸マンガン(Ⅱ)などの金属塩を、それぞれ5 g程度準備しておく。
  3. 金属塩を順に、ケイ酸ナトリウム水溶液に入れる。
  4. 変化の様子を観察する。

「注意・工夫」

  1. 金属塩は、粒が大きいものを用いる方が観察しやすい。
  2. ケイ酸ナトリウムは強塩基で粘性が高いので取り扱いに注意する。

「片付け・処理」

  1. ガラス容器をもちいると、ケイ酸化合物がガラスと反応して固着してしまい、汚れが取れにくくなる。ペットボトルを用いるのも工夫であるが、見映えはやや落ちる。
  2. 乾燥させて危険物の固形物として集めておき、まとめて廃棄業者に処置を依頼する。

「解 説」

ゲルの生成と破裂が繰り返される…金属塩は、もとは強酸と弱塩基の塩なので、水に溶解して加水分解を起こします。特に、粒状の結晶のまま金属塩が水に接触すると、局所的に加水分解による酸性の部分かできるのです。一方、ケイ酸ナトリウムNa2SiO3は水に溶解して塩基性を示す物質(水ガラスとも呼ばれる)ですが、そこに酸が加わるとゲル状のケイ酸(または金属との)塩を生成します。

Na2SiO3 +  2H+  → H2SiO3 +  2H+

(ケイ酸:ゲル状)

ケイ酸ナトリウム水溶液に金属塩の結晶を落とすと、粒の付近にゲル状のケイ酸が生成して、結晶のまわりを包み込む感じになるわけです。また、結晶付近の浸透圧は高いため、ゲル膜を水分子が通過してきます。ゲル膜内部の圧力が上昇していき、ついにゲル膜は破裂してしまします。膜を押す水圧は、上方向が低いので、こちらが破れやすくなります。破れた膜の付近では、新しい膜の生成が進みますが、やはりゲル膜内の圧力が高まっては破裂を繰り返します。こうして、上方向にゲル膜の側面部分の残りが積み重なって、枝状の固体が伸びていくことになるのです。ちょうど、火山が噴火して溶岩が積み重なり、噴火を繰り返しては大きくなっていく火山の成長モデルのようです。なお、枝状の固体は、金属イオンを少し含んだ非晶質のゲルであって、金属結晶そのものが成長したものではありません。


◇このブログで発信する情報は、取扱いに注意を要する内容を含んでおり、実験材料・操作、解説の一部を非公開にしてあります。操作に一定のスキル・環境を要しますので、記事や映像を見ただけで実験を行うことは絶対にしないで下さい。詳細は、次の3書(管理者の単著作物)でも扱っているものがありますので参考になさってください。

  


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