UA-119493607-1 ドライアイスにトライ | らくらく理科教室
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ドライアイスにトライ

物質を低温にすると、我々が普段生活している常温の世界では起こりにくい特異な現象を観察することがある。ドライアイスを使って、低温の世界にトライしてみましょう。

<ドライアイスの昇華>
金属製スプーンが鳴り響く!金属表面部分で昇華が激しく起こることによります。金属の熱伝導性が良いことの他、圧力の影響も考えられます。

昇華した二酸化炭素の圧力によりフィルムケースのフタが飛ぶ!30秒程度で軽い音とともに内容物も飛び散るので注意。

硬貨を押しつけると面白い動きをします。まるで硬貨がダンスしているよう。

表面から激しく二酸化炭素が昇華しているので、摩擦が小さくなります。実験台は滑らかなので特にホバークラフト効果が大きいのです。ドライアイス上にキャラクター(アノマロカリス)を乗せてみました。

自作ホバークラフト:木製イスにプラ製植木鉢を打ち付け、厚さをかせぐのに、新聞紙と雑巾を敷いてみました。滑走は、できるだけ体重の軽い人が良いです。

<ドライアイスが二酸化炭素であることの確認_二酸化炭素が水に溶解して酸の働きをする>
ドライアイスをやや塩基性に調整したフェノールフタレイン水溶液に落とすと、二酸化炭素が溶け込んですぐ透明になっていきます。

やや塩基性に調製した万能指示薬は、青色から緑色、黄色への変化が。二酸化炭素が酸性であることの確認ができます。

発生してきた気体を空のビーカーですくって、ビーカーを軽く振ると色が変わります。

<発生した気体が重いということの確認>
水槽にドライアイスを入れ、昇華してきた気体がたまってきたところにシャボンを落としてみます。二酸化炭素が重いのでシャボンが浮かぶわけです。

発生した気体をろうそくの火にかけると酸素が一瞬遮断されて火が消えます。気体が空気より重いということの確認になります。

<エタノールとの混合で強力寒剤となる>

デジタル温度計でドライアイスの表面温度を計ると、-80℃近い低温であることがわかります。また、細かく砕いてメタノールと混合すると扱い易い液体寒剤になります。昇華熱が奪われ-95℃近い低温が得られます。ただし、ただし、メタノールの扱いには注意が必要です。

<ドライアイスの灯火>
ドライアイス板2枚のうちの1枚にコルクボーラーで1㎝の穴を掘る。
マグネシウム粉末5gを穴に入れ、導火線としてマグネシウムリボンを差し込む。
着火してフタをする。激しい反応が落ち着いて、オレンジ色の柔らかい光が観察される。手を当てると冷たいはずのドライアイスから赤外線による温かみを感じることができる。
燃焼後:空気(の単体の酸素)がなくても燃焼が起こる。二酸化炭素分子中の酸素と化合により酸化マグネシウムと炭素の単体(黒色)が生成してくる。

<ドライアイスで遊んでみる>
ぽよよんとシャボンが出てくる

ドライアイスをバーナーであぶる。すぐさま手のひらに落とされると、反射的に熱いのではないかという反応をとってしまう。

「解 説」

  1. ドライアイスは分子結晶

 ドライアイスは、二酸化炭素の固体です。二酸化炭素分子( O=C=O )を構成する炭素と酸素の二重結合( O=C=O )部分は、電気陰性度の差により、電荷に偏りが生じますが、構成原子が直線上に並んでいるので、正負の電荷が打ち消し合って分子全体としては無極性となるのです。δ+δ-(デルタ)は、わずかに電荷に偏りがあることを示します。

             δ- δ+ δ-

             O=C=O

 ドライアイスは、無極性の分子結晶なので、分子同士が引き合う力が弱く、昇華しやすい物質です。昇華温度は、約-79℃、液体にならないので扱い易く、保冷剤としても使われます。細かく砕いてメタノールと混合すれば、温度を-95℃近くまで下げることができる強力な寒剤ともなります。また、ポリ袋や容器に入れると、短時間で昇華して発生してきた二酸化炭素が充満してきます。二酸化炭素の分子量は44なので、同量の空気が入ったポリ袋を用意して重さを比べると、ややズシッとくる感じがあり、なるほど二酸化炭素の方が重いということが実感できるのです。さらに、硬貨や金属製品と接触させと昇華が激しく起こり、振動や時に音が鳴ったりして楽しめます。机上ではホバークラフトのように滑り、長い廊下を使うと数十メートルを滑走させることも可能です。

  1. 弱い酸性を示す

 ドライアイスは水と反応して、弱い酸性を示すので、水溶液をなめてみると少し酸っぱい味がします。一応反応式を示しますが、解離定数は著しく小さいです。

H2O + CO2 ⇄ H+ + HCO3

HCO3   ⇄ H+ + CO32-

 指示薬の色が劇的に変わるのは、やや塩基性に調整された水溶液を二酸化炭素が中和していくからです。フェノールフタレインは、赤紫から一気に無色透明になり、BTBは、青→緑→黄のように水溶液の色が連続的に変化する様子が観察できます。紫キャベツ色素を用いるのも楽しいものです。

◇このブログで発信している実験は、取扱いに注意を要する試薬・器具も含まれています。また、操作自体に一定のスキルを要しますので、記事や映像を見ただけで実験することのないようにお願いします。実験の詳細の多くは、特に次の3書で紹介していますので参考になさってください。


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