UA-119493607-1 炎で絵や文字を描く | らくらく理科教室
  • 教材や実験の開発情報

硝酸カリウムの付着している部分だけがよく燃えて、炎が文字や絵をなぞるように進んでいく。まるでカタツムリかヘビが這うがごとく、紙が燃えた後の軌跡が残る。小さな大文字焼きのよう。

「動 画」硝酸カリウムを塗った部分がよく燃える!

実験プリント版

「実験タイトル」炎で文字や絵を描く

「サブタイトル」もじもじ焼き文字

「学習項目」①  基本操作 ②化学式 ③イオン ④酸素 ⑤燃焼 ⑥反応速度

「準備物」 硝酸カリウムKNO3 薬包紙 試験管 洗びん 試験管ばさみ ガスバーナー ガラス棒(または毛筆) 更紙 線香

「操作手順」  WEB非公開

「注意事項」

  1. かなりの煙が出るので、十分な換気を行うこと。
  2. 残った紙切れや線香は、水にぬらして、火が完全に消えていることを確認してから廃棄する。

「画 像」筆や棒の先に試薬をつけて、紙に絵や文字を描く・試薬を付着させたところだけ勢いよく燃える・焼き切れた様子が確認できる

  

「解 説」

1.反応速度を決めるもの:硝酸カリウムの付着している部分に炎が文字をなぞるように進んで、紙が燃えた後の軌跡が残ります。小さな炎も出ますが、紙には延焼することがないので、試薬が付着している部分だけがよく燃えているということが視覚的に理解できます。よく燃える=紙が酸素と結びつきやすい、すなわち反応速度が大きくなる理由を考えてみます。反応速度を左右する要因は、まず温度です。温度が上昇すると、反応に関係する原子や分子などの粒子の熱運動量が高まり、お互いの衝突回数が増加します。おおざっぱですが、温度が10℃上昇すると反応速度は2倍になるとも言われます。次の要因は、触媒の存在です。一定の粒子が反応を継続するためには、越えなければならないエネルギーのハードルがあります。活性化エネルギーともいわれ、そのハードルを低くして、与えるエネルギーが少なくても済むような働きをする物質が触媒で…

…省略…

2.硝酸カリウムは加熱するとよく溶ける:硝酸カリウムは、化学式 KNO3 で表される表される硝酸塩の一種であり、天然に産出するものではチリ硝石が古くから知られています。水溶液の温度による溶解度の差が大きい(80℃で169 g 20℃で31.6 g)ため、溶解度差を利用して精製(再結晶法)がしやすい物質でもあります。また、工業的には、天然の硝石に含まれる不純物(塩化ナトリウムなど)に塩化カリウムを通じておき、より溶解度の小さな塩化ナトリウムを析出させ…

…省略…

KNO3  → K+ + NO3 ・・・①

NaCl → Na+  + Cl ・・・②

KCl  → K+ + Cl ・・・③

塩化カリウムの追加(③)によりCl の濃度が高まると、共通イオン効果によって…

…省略…

3.火薬の代名詞:古くから火薬として知られ、ハーバー・ボッシュ法の窒素の固定化による大量の製法が確立されるまでは、火薬を代表する物質でした。実験では、線香の火を用いましたが、硝酸カリウムは、比較的低温でも亜硝酸カリウムと酸素に分解します。硝酸カリウム自体が燃えるのではなく、近くに存在する燃料源となる有機物などの燃焼を助ける役割を果たしているのです。密閉した容器内でも、酸化反応を助けるので、反応によって生じた酸化物(気体)が大きな体積であれば、爆発になることもあり、扱いは十分にな注意が必要です。

2KNO3  → 2KNO2  + O2 ・・・比較的低温の場合

「確認演習」

1.各試薬の成分を化学式表しなさい。

2.abcd各紙薬に含まれていると考えられる金属イオンを推定しなさい。

3.紙が激しく燃えるということは何を意味するか?

 

化学基礎実験_実験NOTE_1

No.1  学籍番号[    ]氏名[       ]

「表 題」

基本操作(加熱・溶解・燃焼など)を伴う実験_硝酸カリウムを付着させた紙の燃焼の観察

「目 的」

硝酸カリウムを水に溶解させ、水溶液を紙に塗り付けた部分の燃焼の様子を観察する。

「実験理論」

  • 燃焼が起こる条件:一般に、物が燃えるには燃えるもの(物質)、一定の温度、一定濃度の酸素が必要である。特に酸素の濃度については、通常の空気中での燃焼反応は、酸素濃度が約[20 ]%という条件下で起こる。反応に関わる[粒子 ]数が一定数確保されないと反応は継続しない。また、反応の温度や[触媒 ]の存在も反応速度を決める要素である。
  • 硝酸カリウムの熱分解:反応によって発生した酸素が反応に関わることで紙の燃焼を促進する働きを果たす。酸素濃度が高いとそれだけ燃焼の化学反応に関わる粒子数が増大し、温度が高くなればそれだけ粒子の[衝突 ]回数が増大するのと同様の効果がもたらされる。なお、この実験については硝酸カリウムのカリウム自体が反応を促進する触媒の役割も果たしている。

「準 備」

薬包紙 硝酸カリウムKNO0.5 g 電子天秤 洗びん ガスバーナー マッチ 試験管バサミ 筆 更紙(和紙) 線香

「操 作」

  • 配布する硝酸カリウムKNO3を電子天秤を用いて薬包紙上に50 g秤量する。→残りは返却する。薬包紙は廃棄。
  • 硝酸カリウム50 gを試験管に入れ、洗びんで約2 mLの水を加える。
  • 試験管を試験管ばさみで保持し、ガスバーナーで加熱する。
  • 加熱を停止し、試験管を作業用試験管立てに戻す。(ガスバーナーの炎は小さく調整し、そのまま維持する)
  • 硝酸カリウム水溶液を筆に湿らせて、更紙に付着させる。文字や記号を描くとよい。
  • ガスバーナーの炎で紙全体をあぶって少し乾かす。
  • 同様の作業を数回繰り返し、硝酸カリウムが文字や記号の上にたくさん付着した状態にする。最後の仕上げでは、更紙を完全に乾燥させる。
  • 線香に火をつけて、更紙の文字部分に押し付ける。燃焼が継続したらそのまま更紙を保持して観察する。

「工夫や注意点・片付け等」

  • 更紙や線香は水道水で濡らし、火が完全に消えていることを確認してから燃えるゴミとして廃棄する。
  • 残った硝酸カリウムの結晶は所定のところに戻す。
  • 使用した器具の洗浄と乾燥:使用ガラス器具は、少量の洗剤をつけブラシ等を用いて洗浄する。洗浄後の試験管は、乾きやすいように保管用試験管立てに逆さにしておく。
  • 流しを大きなブラシで洗浄し、燃えかすや固形物が残っていないことを確認する。

「観察・結果」

  • 薬包紙の折り方:
  • 電子天秤の便利な使い方:
  • ガスバーナー使用方法について
  • マッチ点火とネジ栓の開栓の順序は?
  • 空気栓の役割は?
  • ガスを閉める順序は?
  • 試験管バサミでの保持のしかた:図説
  • 筆や線香の処置は?
  • 操作8での反応の様子:図説

「考 察」

  • 硝酸カリウムが水に溶解する際の反応を化学反応式で表しなさい。
  • 硝酸カリウムの熱分解反応を化学反応式で表しなさい。
  • 硝酸カリウムが付着した部分が強く燃焼した理由を考察しなさい。
  • 硝酸カリウムの残液の処理として適切な方法について説明しなさい。

◇このブログで発信する情報は、取扱いに注意を要する内容を含んでおり、実験材料・操作、解説の一部を非公開にしてあります。操作に一定のスキル・環境を要しますので、記事や映像を見ただけで実験を行うことは絶対にしないで下さい。詳細は、次の3書(管理者の単著作物)でも扱っているものがありますので参考になさってください。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です