UA-119493607-1 美しい銀樹 | らくらく理科教室
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銀イオンが銅表面で還元されて単体銀となって析出してきます。細かい銀色の針状結晶がまるで樹木のように伸びてくるので、銀樹と呼ばれています。そのままでは壊れやすいので、寒天を用いて固めて観察しやすくしています。針状の銀と溶出してきた銅イオンの青が、まるで青い海に広がる銀色のサンゴのようなイメージで美しいです。

実験プリント編

「実験テーマ」美しい銀樹をつくる

「学習項目」①  イオン化傾向 ②酸化還元反応 ③金属

「画 像」時間が経過すると、下部の針状の銀樹の先に酸化銅(Ⅰ)が生成するなど、実際の反応は複雑である。

   

「画 像」固化した寒天に直接硝酸銀を振りかけてみた。時間はかかるが、長い銀樹の成長が見られる。銅板のまわりは、銅イオンがつくる化合物の青~緑色の呈色が見られる。

「操作手順」WEB非公開

「注意事項」

  1. 使用する寒天の種類により固まり具合が違うが、やや薄めに調整するほうがうまく仕上がる。
  2. なるべく純水を用いる。

「解 説」

  1. イオンへのなりやすさを表す『イオン化傾向』

金属の陽イオンへのなりやすさをイオン化傾向といい、金属元素をその順に並べたものをイオン化列と呼んでいます。例えば、カリウムは反応性が高く、電子を放出してカリウムイオンとなって安定しやすいのですが、金はほとんどイオン化することはありません。金属の反応性の違いの説明に用いられる概念でもあります。硝酸銀 AgNO3は、水溶液中 AgNO3 → Ag+ + NO3 のように電離しているので、銅線を入れるとイオン化傾向の違いにより、次のように酸化還元反応が起こります。

還元反応:Ag+ + e → Ag   酸化反応:Cu → Cu2+ + 2e

全体としては、2Ag+ + Cu → 2Ag + Cu2+ となり、銅からは還元されてきた単体銀が析出してくるのです。これは、イオン化のしやすさ Cu>Ag という比較から、イオン化しやすい銅が電子を放出し、その電子を銀が受け取るというように単純に説明されています。この電子授受反応を別々のところで起こるようにして発明されたものが電池であり、現在でもイオン化傾向を利用して電流を誘導し、エネルギーを取り出すという設計の電池が大半を占めています。なお、実際の銀イオンと銅は、一価の銅イオンに関わるいくつかの化合物を生成するなど複雑な反応を伴います。

  1. 金属が樹木のように析出する

銀樹をつくる実験では、硝酸銀の水溶液に銅片を糸で吊す方法が多く紹介されていますが、壊れやすくなかなか見事な銀樹にはなりません。しかし、寒天やろ紙を使うと銀樹が安定して比較的大きく美しい金属樹ができます。銀樹の析出後、溶液が青くなるので、銅イオンの生成によるものであることも確認しやすくなります。寒天に含まれる有機物の一部が硝酸銀と反応して褐色に濁ってくることもありますが、試薬の濃度を下げたり、低温で反応させることである程度抑えることはできます。ちなみに、純水を使用しても寒天中にもともと含まれている塩化物イオンと反応して、塩化銀の濁りができてしまいます。

◇このブログで発信する情報は、取扱いに注意を要する内容を含んでおり、実験材料・操作、解説の一部を非公開にしてあります。操作に一定のスキル・環境を要しますので、記事や映像を見ただけで実験を行うことは絶対にしないで下さい。詳細は、次の3書(管理者の単著作物)でも扱っているものがありますので参考になさってください。


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