UA-119493607-1 一円玉を水に浮かべる | らくらく理科教室
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水より密度の大きいはずの1円硬貨(アルミニウム)が水面に浮かびます。物の浮き沈みは、密度以外の要素も存在(ここでは表面張力)していることが意識されます。硬貨がお互いに引き合って、小さくまとまることや界面活性剤により表面張力が失われることも観察します。

「動画」7枚一円硬貨が表面張力を小さくするために花状にまとまる

密度が大きくても、表面張力の影響が上回る。離れて浮かばせてもお互いが近づいて寄り添う。

実験プリント版

「実験タイトル」一円玉を水に浮かべる

「サブタイトル」寄ってらっしゃい、一円玉さん!

「キーワード」密度 水の極性 表面張力 界面活性

「準 備」容器 銅線 一円硬貨数枚 石けん少量 つまようじ

「操 作」WEB非公開

「注意事項」

1.  大きめの器が作業しやすい。

2.  実験を繰り返す場合は、洗剤をよく洗い流しておく。

「解 説」

1.  表面張力の影響

水の密度は、4℃で最大になり、限りなく1に近づきます。アルミニウムの密度は約2.7〔g/cm3〕なので、単に密度の違いのみで、物質の浮き沈みが決まるのではないことがわかります。液体に物体が浮いているとき、物体が沈み込んで排除している液体の体積の分だけ浮力を受けています。水よりも密度の大きいアルミニウムが浮くということは、相当な浮力がかかっていることになります。その浮力を生み出しているのが、水の表面張力です。水は、極性分子であるため、正負の電荷を中和するように引きつけ合う力(おもに水素結合)が働くのです。しかし、水の表面に存在する分子は、引きつけられる十分な数の分子に恵まれていないので、より安定を求めて、一定の分子はこぞって水の内部に潜り込もうとするのです。結果として、表面の水分子が小さくまとまろうと引き合って、水面にゆがみを形成します。今にもこぼれそうなコップの端の水の丸みや、露が草葉の上ではじかれて丸くなるのもこの力によるものと考えることができます。

2.  界面活性剤が表面張力を弱める

一円硬貨7枚を水に浮かべると、それぞれが近づいて小さくまとまろうとします。少し離して浮かべた硬貨も、いずれは引き寄せられ、見事な花模様を構成するのです。硬貨が寄り添うと、水面の歪みの一部を共有し、全体としては個々の1円玉にかかる表面張力の和より少なくて済むことになります。水面に浮かぶゴミが集まったり、水面の端に寄ったりする現象も、この理由により説明することができるでしょう。表面張力を少しでも低く抑え、エネルギー的に安定した方向に、一円硬貨がまとまろうとしているわけです。そこで、表面の水分子の緊張をゆるめるような物質、例えば石けんのような界面活性剤のような物質が入り込む場合を考えます。長い鎖状の石けん分子は、親水基を水の方に、疎水基を空気の方に向けて表面に並びます。表面で水素結合により引き合っていた水分子は分断され、緊張が一気に解放されます。その結果、浮いていた硬貨は安定を失って水中に沈んでしまうのです。昆虫のアメンボは、表面張力を利用して、水面で元気に動き回っているのですが、水たまりに洗剤を滴下されると哀れなことになることでしょう。


◇このブログで発信する情報は、取扱いに注意を要する内容を含んでおり、実験材料・操作、解説の一部を非公開にしてあります。操作に一定のスキル・環境を要しますので、記事や映像を見ただけで実験を行うことは絶対(!)にしないで下さい。詳細は、次の3書(管理者の単著作物)でも扱っているものが多いので参考にして下さい。


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