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硫黄は、火山地帯に単体としても産出し、古くから知られている物質です。この硫黄には結晶の型が違う同素体が数種存在します。硫黄粉末を加熱することで、できた同素体の様子を比べてみることができます。

粉末硫黄は融解させるとだいぶ体積が減ってしまうので、やや多めに用いる方がいいです。ただし、試験管に入れるのが一苦労なので、薬包紙を使っての工夫が必要です。加熱は、弱火でゆっくりと、全体に熱が伝わるようにします。最初からあまり強熱すると色がこげ茶色になってしまいます。

完全に融解したら、半量をろ紙に注ぎ、針状結晶が表面に見えるようになったらろ紙全体をひっくり返します。そうすると、結晶が反り立って、いかにも針状という感じになります。ただし、熱いので軍手を用いる方がよいでしょう。

残りをさらに加熱していくと、紅茶のような透明の液体になりますが、いったんそのまま固化します。結晶の相転移による現象で、メカニズムに触れる必要はありませんが、生徒学生の興味をひくことでしょう。さらに加熱すると、また融解し、暗いこげ茶色になっていきます。

水に注ぎこむと固まるので、取り出して引っ張ると、ゴムのように伸び縮みすることが観察できます。


「動 画」古い映像です

「観 察」

1.溶解の様子と色の変化を描く:

2.生成した2種類の結晶の様子を描く

「演 習」
1.同素体とは何か、簡単に説明しなさい。

2.硫黄の同素体を三種類挙げ、各名称と融点を調べなさい。

3.硫黄原子の電子配置を描きなさい。


◇このブログで発信する情報は、取扱いに注意を要する内容を含んでおり、実験材料・操作、解説の一部を非公開にしてあります。操作に一定のスキル・環境を要しますので、記事や映像を見ただけで実験を行うことは絶対にしないで下さい。詳細は、次の3書(管理者の単著作物)でも扱っているものがありますので参考になさってください。

  


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