• 教材や実験の開発情報

回転させることで、中身が生なのかゆでたものなのかの区別をすることができます。しかし、科学的にはいろいろ複雑な現象であることがわかってきます。

「動 画」卵の見分け方からフィルムケースの実験まで

ゆで卵の方は、中身が固まっているので全体が一体となった剛体としての振る舞いをします。ぐっと力を入れて回転させるとき、重みというか手応え感があるところがポイントです。しかし、一度回転が始まると、その運動を維持しようとする慣性が働くので、結構長い時間そのまま回転が続いたりします。タイミングによっては、逆立ちゴマのように重心が上に移動して立ちあがったまま回転をすることもあります。対して、生卵の方は、手応えがなく軽い感じですが、すぐに回転は止まってしまうので、ゆで卵と区別できるのです。生卵の場合は、中身が流体なので、外部の殻の部分に力を入れても、中身がそのままついていかずに回転運動に貢献しないのです。もっというと、外部から加えられたエネルギーが、流体の部分に伝えられるうちに消耗してしまうのです。

ところで、動画の後半では、フィルムケースに粘土と水を入れた場合、坂を下るときの動きの違いも演示しています。ここでは、動きに違いがあるという程度の捉え方でよいと思いますが、要は、スタート時に、粘土が詰まった方は回転運動がゆっくり起こり、次第に加速していく…水(流体)の方は、軽やかに回転が始まるのでスタートダッシュする…ということを示したに過ぎません。

なお、ゆで卵が逆立ちゴマのように立ち上がる原理ですが、卵が丸く接地面との摩擦によって、円を描くような姿勢の変化が起こります。回転軸を維持しながら、重心は上方に移動していくことで、立ち上がりが起こるとされています。

「画 像」2つのフィルムケース、粘土入りよりも水が入っている方が早く転がっていく。

このフィルムケースを用いて、卵の見分け方と同様な演示も可能です。


◇このブログで発信する情報は、取扱いに注意を要する内容を含んでおり、実験材料・操作、解説の一部を非公開にしてあります。操作に一定のスキル・環境を要しますので、記事や映像を見ただけで実験を行うことは絶対にしないで下さい。詳細は、次の3書(管理者の単著作物)でも扱っているものがありますので参考になさってください。

  

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。