• 教材や実験の開発情報

ケイ酸ナトリウム(水ガラス)水溶液に塩酸を少ずつ加えていくと、少しずつゲル化が始まり、いずれ固まってしまいます。フラスコを逆さにしても落ちてきません。

「動 画」ケイ酸ナトリウム水溶液に塩酸を加えるとゲル化して固まる

「解 説」

1.水溶液が劇的に固まる:ケイ酸ナトリウム水溶液に塩酸を加えていくと、ゲル状の固形物質となります。振り混ぜていた液体が劇的に固化するので、マジック的な要素も。ケイ酸ナトリウム Na2SiO3 は、弱酸のケイ酸 H2SiO3 と水酸化ナトリウムNaOH との塩で、強酸の塩酸により、弱酸の遊離が起こってケイ酸が沈殿してきます。

 Na2SiO3 + 2HCl → 2NaCl + H2SiO3

            (ケイ酸:ゲル状)

このケイ酸は、二酸化ケイ素と水とが結合した白色無定形のゲル状物体です。凝固したものを加熱乾燥させると、二酸化ケイ素のキセロゲルとなり、これがいわゆるシリカゲルと呼ばれるものです。シリカゲルは、多孔質で表面積が大きいため、乾燥剤や触媒として利用されているものです。一般には、水分の指示薬として塩化コバルト(Ⅱ)を添加し、青から薄桃色に呈する変化が知られています。

2.粘性が高いので水ガラス:ケイ酸ナトリウムは、水飴状で大きな粘性を持ち、接着剤、耐火塗料、粘度調整用の添加剤等に使用されています。水ガラスという名称は、このケイ酸ナトリウムの濃い水溶液の一般呼称で、通常はメタケイ酸のナトリウム塩を指し、組成の異なる種類が存在します。水に可溶で、水溶液は加水分解されて塩基性を示します。金属塩を加えるとそのケイ酸塩が生成し、水溶液中に柱が立つようにして成長していく「ケミカルガーデン」の素材としても広く知られているものです。


▽このブログで発信する情報は、取扱いに注意を要する内容を含んでおり、実験材料・操作、解説の一部を非公開にしてあります。操作に一定のスキル・環境を要しますので、記事や映像を見ただけで実験を行うことは絶対(!)にしないで下さい。詳細は、次の3書(管理者の単著作物)でも扱っているものが多いので参考にして下さい。


コメント一覧

返信2022年6月11日 4:02 PM

鳥丸征紀24/

はじめまして。 動画を参考にしながら試してみましたが、なぜかゲル化しません。科学については全く知識がなく、動画などを観ながら試しております。 ■ゲル化テストについて 1)主剤:珪酸ソーダ3号 ※水あめ状の液体 2)硬化剤:「塩酸/エタノール/重曹」+水 それぞれ「1+2(組み合わせを変え)配合割合も変えながら」よく攪拌してテストしましたが、どれも弾力のない固形物(シャーベット状または柔らかい角砂糖)となってしまいます。多くのサイトの動画ではゲル化しているようですが、私の場合一向にその気配がありません。なぜでしょう?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。