UA-119493607-1 カラフルな火~炎色反応 | らくらく理科教室
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ある種の金属は、燃焼する際に特定の光を発する「炎色反応」を起こします。水溶液を加熱して発する炎の色の特徴を観察するのですが、高価な白金線ではなく、市販の綿棒とエタノールを使った簡便な方法です。

実験プリント版

「サブテーマ」成分分析いい気分

「学習項目」①  炎色反応 ②金属 ③電子配置 ④波長

「注意事項」

  1. 試料の塩化物は、入手できなければ硝酸塩でもよい。
  2. 試薬が混じりやすいので、乳鉢は距離を置いて離しておく。
  3. 終了後は綿棒を水でぬらし、完全に消火を確認後に破棄する。

「解 説」

  1. 電子の振る舞いによる光

アルカリ金属、アルカリ土類金属、銅などの金属塩を炎に入れると、その金属特有の色を発することがあります。原子中の電子は、通常は基底の軌道に存在していますが、外部から与えられたエネルギーにより、外側の軌道に移動するということが起こります。これが励起状態であり、元の基底状態に戻る際に余ったエネルギーを光として観察されるものです。ただ、もともと電子は決まったいくつかの軌道にしか存在できないので、電子の持つエネルギーは、とびとびの特定の値にしかならないのです。つまり、放出される光エネルギーの波長も特定の色を放つものとなるのです。例えば、アルカリ金属Li、Na、Kにおける炎色反応は赤・黄・赤紫ですが、それぞれ励起された電子が基底状態に戻る際に発する光の波長が各色に相当するのです。ただし、カリウムのように2色の色が混じって観察されるというようなことはあります。

放出されるエネルギーEは、振動数νに比例し、エネルギーの差が大きいと光の振動数が大きく(波長は短く)なります。

E=hν (h:プランク定数)

発する光の色は、赤→橙→黄→緑→青→紫の順に、エネルギーが大きくなります。ちなみに、人間に見える光(可視光線)の波長は、おおよそ400nmから770nmで、その範囲より短いものを紫外線、逆に長いものを赤外線と呼んでいます。

  1. 成分分析の一手法

 炎色反応は、金属の定性分析や花火にも利用されますが、気体状の原子にまで加熱される必要があります。例えば、銅線を加熱するだけでは、原子が蒸発しないので、銅の炎色反応は観察されません。しかし、塩素との化合物(塩化銅)ならば融点が低いので、イオン結晶が熱により解離し、原子化しやすくなるのです。炎色反応の実験の試料に、塩化物が多用されるのはこういった理由によります。また、教科書の炎色反応の実験では、白金線を使うことが一般的ですが、それは白金が非常に安定でイオン化しにくく、融点(3825℃)も極めて高く他の金属イオンの観察の妨げにならなりからです。もっとも、実際の現場ではあまりに高価であるのが難点でもあります。ですので、安価な綿棒を使用しているのですが、厳密には素材のパルプに…

…省略…

 

化学基礎実験_NOTE

No.4

学籍番号[    ]氏名[       ]

「表 題」炎色反応による成分分析

「目 的」金属種によって特定の光を発する炎色反応の観察とその応用によって有機化合物中に含まれるハロゲンの存在を確認する。

「実験理論」

  • 電子の振る舞いによる光:原子中の電子は、通常は基底の軌道に存在するが、外部から[エネルギー ]を与えられることにより、外側の軌道に移動するということが起こる。これが励起状態であり、元の基底状態に戻る際に余ったエネルギーを光として放出する。ところが、もともと電子は決まったいくつかの軌道にしか存在できないので、電子の持つエネルギーは [ とびとびの特定 ]の値にしかならない。従って、放出される光エネルギーの波長も特定の[色 ]を放つものとなる。
  • 炎色反応:アルカリ金属、アルカリ土類金属、銅などの金属塩を炎に入れると、その金属特有の色を発することがある。例えば、アルカリ金属のリチウムLiは赤い炎色を呈するが、電子が基底状態に戻る際に発する光の波長が赤に相当するのである。放出されるエネルギーEと振動数νは比例し、次式のように示される。

E= hν (h:プランク定数)

なお、人間に見える光(可視光線)の波長は、おおよそ400nmから770nmであり、その範囲より短いものを[紫 ]外線、逆に長いものを[赤 ]外線と呼んでいる。

  • 気体状の原子が高温に加熱される必要がある。例えば、銅線を加熱するだけでは原子は蒸発しないが、塩素との化合物(塩化銅)になると沸点が低くなる。イオン結晶が熱により解離し、原子化しやすくなるのである。また、教科書の炎色反応の実験では、[白金 ]線がよく用いられるが、非常に安定でイオン化しにくく、融点(3825℃)も極めて高く、他の金属イオンの観察の妨げにならないからである。
  • プラスチック中の塩素の検出「バイルシュタイン試験」:銅線を加熱しても銅の沸点は2630℃と高いので、銅は蒸発せず炎色反応も起こらない。しかし、プラスチックのような有機化合物の燃焼の場合、含まれる塩素が[ラジカル ]となると、熱せられた銅の表面で塩化銅(ⅠまたはⅡ)を作る。その一部が気化し、緑色の光を発するというものだ。フリードリヒ・バイルシュタインが考案した簡単なハロゲンの検出法(フッ素は不検出)である。

「準 備」

試薬A-E(塩化カリウムKCl・塩化カルシウムCaCl2・塩化リチウムLiCl・塩化銅CuCl2・塩化バリウムBaCl2をそれぞれ小容器に分けておく) 綿棒5本 粘土 メタノール ライター 銅線(約20㎝) ガス設備 消しゴムなどサンプルとするプラスティック

「操 作」

【実験A】

  • 5本の綿棒を固定するための粘土を約10㎝間隔で配置する。
  • メタノールで湿らせた5本の綿棒のそれぞれの先端に、5種類の試薬A-E(容器に入っている)を極少量つける。
  • ライターを使い、それぞれの綿棒に一気に点火して、炎の色を観察する。

【実験B】

  • 適当な太さの銅線(約20㎝)をガス炎で加熱する。
  • あらためて銅線を赤熱し、サンプルとするプラスティック(消しゴムなど)に押し当てる。ふたたび銅線の先端を炎の中に入れて、付着していたプラスティックを燃焼させる。

「工夫と注意・片付けなど」

  • 十分に換気をすること
  • それぞれの試薬が混じらないよう、容器を離しておく。
  • 綿棒は、実験後に水でぬらし、完全に消火を確認してから廃棄する。
  • 赤熱した銅線の先端は斜め下に向けて作業すること

「観察・結果」

  • 操作図:実験A
  • 操作図:実験B

「考 察」

  • 実験Aについて
    • 試薬A~Eの炎の色からその試薬に含まれていると考えられる金属を推定し元素記号で表しなさい。

A   B    C  D    E

色     (  )(  )(  )(  )(  )

元素記号(  )(  )(  )(  )(  )

  • 炎色反応の実験で塩化物が用いられることが多い理由は何か?
  • 本実験では白金線ではなく綿棒を用いている。その利点は何か?
  • 実験Bについて
    • 銅線を直接加熱しても銅の炎色反応が見られない理由を述べなさい。
  • プラスティックを付着させると緑色の炎色が観察される理由を述べなさい。

◇このブログで発信する情報は、取扱いに注意を要する内容を含んでおり、実験材料・操作、解説の一部を非公開にしてあります。操作に一定のスキル・環境を要しますので、記事や映像を見ただけで実験を行うことは絶対(!)にしないで下さい。詳細は、次の3書(管理者の単著作物)でも扱っているものが多いので参考にして下さい。


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