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タマゴを酢水に浸けて一昼夜置くと、殻はすっかり解け去って、薄皮だけの裸タマゴ(スキンエッグ)ができあがります。

「動 画」スキンエッグの作り方

□卵を何回か回転させて向きを変えます。卵殻が完全に溶け去るまで2日程度かかります。

「動 画」皮の部分を用いて

□スキンエッグは手品に用いられたこともあるとか。

「解 説」

卵殻の主成分は炭酸カルシウム:ニワトリの卵殻は厚さ約3mmで、主成分の炭酸カルシウムが約95%を占めています。生まれてくるひよこの骨重量の約80%がこの卵殻の成分を利用しているとされています。卵殻は、多孔質でその気孔の数は卵あたり10000個前後もあり、この気孔で胚呼吸に必要な酸素を摂取し、二酸化炭素を排出するという作業を行っています。新鮮なたまごの表面は粗く、これはクチクラという薄い膜で覆われています。酸が反応すると次のように二酸化炭素が遊離して、気泡を観察することができます。

CaCO3 + 2H → Ca2+ H2O + CO2

食酢で卵殻を溶かす卵殻は薄いので、食酢に2日間も浸けておくと、殻をすっかり溶け去ることができます。水溶液中では、次のように電離し、0.1 mol/L の場合は電離度α=0.016で、1000分子中わずかに16分子しか電離しない弱酸です。また、酢酸分子は4つの水素を持っていますが、反応に関わるのは一つのみなので1価の酸です。

CH3COOH → CH3COO + H

卵殻のおおよその重量をいくつか計測しておいて、事前に必要な食酢の量を計算しておくと良いでしょう。なお、多くの市販の食酢は、約4%のものが多いようです。


◇このブログで発信する情報は、取扱いに注意を要する内容を含んでおり、実験材料・操作、解説の一部を非公開にしてあります。操作に一定のスキル・環境を要しますので、記事や映像を見ただけで実験を行うことは絶対(!)にしないで下さい。詳細は、次の3書(管理者の単著作物)でも扱っているものが多いので参考にして下さい。




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