UA-119493607-1 鉄の発火 | らくらく理科教室
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シュウ酸鉄(Ⅱ)を強熱して得られた鉄の微粉末(主に単体鉄)は、空気中の酸素にさらすだけで容易に発火します。まるで花火のようです。

「動画」鉄分が空気に触れるだけでもよく燃える

実験プリント編

「実験テーマ」鉄が空気中でも燃える
「概要」鉄を粉末状にして表面積を大きくすると、反応速度が高まり、空気中でも発火する。
「学習項目」
① 酸化還元反応 ②酸化数 ③反応速度

「準備物」

新聞紙 シュウ酸鉄(Ⅱ)二水和物 乾いた試験管 試験管ばさみ

「操作手順」

WEB非公開

「注意事項」

  1. バーナーで加熱する際は、突沸しないよう小刻みに振り混ぜるとよい。
  2. 服に引火させないよう、よく手を伸ばすこと。
  3. 新聞紙を破棄するときには、水でぬらし完全に消火を確認すること。

「解 説」

  1. 形状が変われば性質も変わる

鉄と言えば、一般に知られる金属の代表。硬くて丈夫なイメージがあり、もちろん鉄クギを火であぶっても燃えることはありません。しかし、ヤスリで細かい粉にしてやりますと性質は一変、容易に燃えるようになります。もっと細かい粉にすれば、爆発的に反応を起こす危険物ともなり得ます。容易に発火するようになる理由は、粉状にした際の表面積の増大にあります。鉄が空気中の酸素と反応する場合、反応に関与する一定の粒子数が必要ですが、表面積が大きいと、単位体積あたりの粒子数が増えるのです。反応速度が増大し、容易に酸化反応が起こりやすく、鉄でも燃えやすくなるということです。関連実験で、酸素中でスチールウールを線香花火のように燃やすというのもありますが、同じ金属でも、形をかえてやると、化学的性質が変わることもあるということを示しています。

  1. 空気中でも自然発火

シュウ酸鉄(Ⅱ)二水和物は、黄色粉末で、加熱により、次第に黒みを帯びてきます。実際には複雑な反応が起こっていると考えられるのですが、反応式としては、次の反応が最も理解しやすいです。

FeC2O4・2H2O  → Fe + 2CO2  + 2H2O

加熱していくと、激しく気体(一酸化炭素COや二酸化炭素CO2)が発生し、熱分解反応が起こっている様子が伺えます。反応が落ち着く頃には、黒色でさらさらの微粉末が試験管の底に残ります。黒色成分は、鉄や鉄の酸化物で、Fe、FeO、Fe2O3、Fe3O4などが混在しているものと考えられています。シュウ酸の部分が抜け出た微粒子体と考えられ、表面積が大きいために、空気に触れるだけで容易に発火するというものです。高所より振り落とすようにすると、床に着地するまで、まるで火のカーテンのように発火するので圧巻です。床に敷いた濡れた新聞紙を観察すると、茶褐色となった生成物が観察できるはずです。

「動画」やや多めの試薬を用いた演示例

「確認演習」

  1. 鉄クギと粉状の鉄の反応性の違いは何によるか、説明しなさい。
  2. 生じた鉄の酸化物と考えられるものを、列挙しなさい。
  3. 2.8gの鉄から、その50%がFeOになったと仮定し、生じた物質の質量を求めなさい。
  4. 生成物の一部には磁石につくものが含まれている。その物質について、性質や用途を調べなさい。
  5. 菓子袋などに入っている「脱酸素剤」の働きについて説明しなさい。
  6. 試験管を加熱した際、発生したガスは何であると考えられるか。

「参考・引用」

日本化学会『化学を楽しくする5分間』化学同人

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◇このブログで発信している実験は、取扱いに注意を要する試薬・器具も含まれています。また、操作自体に一定のスキルを要しますので、記事や映像を見ただけで実験することのないようにお願いします。実験の詳細の多くは、特に次の3書で紹介していますので参考になさってください。


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