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タマネギの外皮に含まれる色素(ケルセチン)で布や玉子の殻を染色しました


実験プリント版

「実験テーマ」タマネギの色素で染める

「サブテーマ」たまたま染まるタマネギ染め

「実験目的」玉ねぎ外皮に含まれるケルセチンで布を染色する。

「学習項目」金属イオン キレート 植物染料 媒染剤

「準備物」玉ねぎ外皮 染色用布 ミョウバン

「操 作」web非公開

「注意と工夫」

ミョウバン水溶液から出した後、よく水洗する。

「演習問題」

  1. 玉ねぎの外皮に含まれる色素の構造式を調べて描きなさい。
  2.  色素の構造式からわかることを述べなさい。
  3. ミョウバンとはどういう物質か?水に溶かすとどのような成分が生成するか、説明しなさい。
  4. 布が染まりやすい理由を図説しなさい。

<解 説>

1タマネギ外皮に含まれている黄色い色素は、ケルセチンC15H10O7です。フラボノイドの一種で、蕎ソバや柑橘類の外皮にも含まれる色素、染料としても用いられてきました。

2.ー般的な植物色素はタンパク質である絹には良く染まります。これは、色素がポリフェノールであり、アミド結合の部分に結合しやすいためです。対して、綿布はセルロースであるため染まりにくい。綿布を事前に豆汁や牛乳に付けておくと良いとされるのは、タンパク質が綿布に残り、色素に染まりやすくなるからです。特に、このケルセチンは、綿にも良く染まるので、もっとも易しい染色のひとつであると言えます。

3.色素を固着させる要素として、金属イオンの存在があります。色素に金属イオンが配位すると、色が濃くなったり、酸や塩基に対し強くなり、繊維に固着しやすくなるのです。フェノールが鉄イオンと反応して、紫色を呈する反応と同様です。植物色素の多くはポリフェノールなので、鉄や銅、アルミニウム等のイオンにより、染色の効果が上がることが多いのです。これら金属イオンを含む物質を、染色を媒介する役割という意味から媒染剤とも呼んでいます。


◇参考:草木染技法全書(山崎青樹 美術出版社)

◇このブログで発信する情報は、取扱いに注意を要する内容を含んでおり、実験材料・操作、解説の一部を非公開にしてあります。操作に一定のスキル・環境を要しますので、記事や映像を見ただけで実験を行うことは絶対にしないで下さい。詳細は、次の3書(管理者の単著作物)でも扱っているものがありますので参考になさってください。

  


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