□学生用参考ページ:化学基礎実験
様式指定レポート①
今回は実験Noteではなく配布済み資料を参考にして、様式指定レポートとして期限までに提出する。
□ダウンロード用フォーマットファイル(注意!クリックするとwordファイルがダウンロードされます) → 様式指定レポート:気体の状態方程式によるシクロヘキサンの分子量測定_24
「動 画」実践記録
「参 考」
様式指定レポート①「気体の状態方程式によるシクロヘキサン分子量…」_p.0
※今回は実験 NOTE ではなく、フォーマットファイルをダウンロードして、様式に従ったレポートとして期限までに提出する。
1.自然環境科学系のゼミ等で論文作成のための練習と考え取り組むこと。
2.十分な内容と判定されるまで再提出を繰り返し、期日までに必ず完了させるこ
と。
3.指定レポート 2 本は、単位認定の最低条件となっている。完了しない場合は、他の実験 NOTE や出席状況に関わらず単位不認定とする。
4.様式指定レポート作成要領
(1)この実験 NOTE のガイドと同内容のフォーマットファイルを指定ブログからダウンロードしておく。
(2)指定ブログ「らくらく理科教室」 →固定ページ「担当科目メニュー・シラバ
ス等」 →「化学基礎実験 AB」 →「様式指定レポート_気体の状態方程式によるシクロヘキサンの分子量測定」
(3)ダウンロードしたフォーマットファイルは、この実験 NOTE のガイドの内容と同一である。以降は、ダウンロードしたフォーマットファイルをそのまま活用し、教員の指示解説部分(*)などをカット、修正、追記するなどして、自分なりのオリジナル論文とすればよい。特に、*印部分は 推奨、記載、参考例として挙げたものであって、これらは編集時にすべて削除する。
(4)提出レポートの体裁
①ワープロで清書すること。左とじ(裏表印刷不可)
②フォーマットファイルのページ設定は次の通り(参考にするだけでよい)
a.「レイアウト」→「ページ設定」(ワードの場合):A4 サイズ・2 段組み・21
文字 46 行・明朝体(英数字フォントはCentury 可)12.0 ポイント
b.文字数と行数:余白上下 15mm 左右 20㎜を入力後、「標準の文字数を使う」ボタンを押すと自動設定される。
c.ページの挿入:「挿入」→「ページ番号」→「ページ下部」 ただし、表紙は
0 ページのままか、ページを記載しない。
(5)レポートの記載項目
①「表 紙」0 ページ:中央部分に『実験タイトル』のみ 18 ポイント文字
どんな研究に取り組んだのかがわかるように端的に表現する。必要な場合は「~
サブタイトル~」を付しても良い。「学籍番号」「氏名」「共同実験者」「実験実施日」→ 右下右寄せ
②「目 的」:表題が示す実験の概要が理解しやすいように、短い文章でまとめ
る。
③「実験理論」:実験の内容を構成する理論、物質名や反応機構、公式などもここにまとめて記載。実験後の考察の前提に必要な基本事項をここにまとめておく。
④「準 備」:「使用器具」「使用試薬」を分けて記載する。
⑤「操 作」:実際の手順に従い、第三者による追試がスムーズに実施できるよう
に記載する。
⑥「結 果」:実験のデータだけではなく、結果に至るまでの観察の経過や気に
なったこともここに記載しておく。また、実験中に撮影した画像や参考になる
データをそれぞれ 1 枚以上、直筆でのスケッチも 1 枚以上描き入れること。
⑦「考 察」:実験の結果から得られた科学的な知見を述べる。実験の種類が複数にわたる場合は、それぞれ分けて考察する。関連性の高い結果については「まとめ」を追加してもよい。
③「参考文献等」:レポート作成にあたって、具体的に参考にした資料等を記載しておく。
提出レポート記載例
*指定様式としての記載例。あくまで作成例であり、そのまま写すのではなく、内容を要約したり拡張するなどの工夫を加えること。
「表 紙」
*ここは表紙(0 ページ)にする
「表 題」
*テキストボックス内(プリント面では枠は透明で見えない)に表題を記載する。テキストボックスは編集時に 0 ページまで移動させること。
「氏名等」
*右下右寄せで学籍番号 氏名共同実験者実験日等
気体の状態方程式によるシクロヘキサンの分子量測定
様式指定レポート①「気体の状態方程式によるシクロヘキサン分子量…」_p.2
*…ここから 1 ページ…
「目 的」
気体の状態方程式によりシクロヘキサンC6H12 の分子量を求める
*化学式は半角、数値と単位の間や物質名との間に半角スペースを入れる。化学式の前後など、文字が詰まる場合にも。
「概 説」
1.沸点が水によって温度を保つことが可能な範囲にある物質の場合、気体の状態
方程式によって分子量を求めることが可能である。
pV = nRT
実験としては、気体の状態を一定気圧P・温度 T を保ち、その気圧の体積 V と質
量 m〔g〕がわかれば、物質量(n = m/M)から分子量 M〔g/mol〕を求めることができる。
pV = (m/M)RT
*物理定数や公式は斜体表記が基本
*単位記号は、化学論文では〔 〕を用いる。他の分野では[ ]を用いることも多い
が、化学では濃度を[H+]]のように表すので混乱を避けるため〔 〕が用いられることが推奨されている。ただし、ワープロソフトの多くで〔 〕が全角表記になるため、数値との間の半角スペースを入れることは不要になる。
2.容器全体の質量m1をあらかじめ計測しておく。気体となりやすい物質を容器に入れ、その成分がすべて気体となって容器の中に充満している状態(気体の状態方程式が成り立つ)を作り出す。余分の物質は、気化して容器の外部に出ていってしまうので、実際に気体になって充満していた物質の質量 m は、実験後の容器全体の質量 m2から質量m1を差し引いた値となる。
*考え方を図説化する
容器内の物質の質量 m = m2 – m1
3.ただし、質量 m2はシクロヘキサンがすべて液化して体積 0 となると仮定している。実際には、シクロヘキサンはすべて液化するわけではなく、一部(蒸気圧分)が空気を追い出している。従って、その蒸気が占めている空気の質量 m3に相当する分を加えておく必要がある。(浮力の影響を排除)
正確には、 m = m2 – m1 + m3
m3 は、 空気の密度 d ×フラスコ容器 v×シクロヘキサン蒸気の占める割合(シクロヘキサン蒸気圧/大気圧)で求まる。
・空気の密度 d = 1.17×10-3g/cm3
・フラスコ容器体積 v = 100 mL(cm3)
・シクロヘキサン蒸気圧 pCH = 1.2×104
Pa
・大気圧 p0 = 1.01×10-5Pa
*上記の数値からm3 = 1.39×10-4g と求まるが、精密電子天秤の精度では検出できないほど小さいため、実際の計算上では無視できると考察しておく。 → この部分は「考察」で再度述べておくとレポートとしてのレベルが上がる。
「準 備」
*正式の論文では使用器具と試薬を別々に記載する!
【使用器具】
100 mL 丸底フラスコ アルミホイル(キャップ用) 精密電子天秤 スタンド
500 mL ビーカー 温度計 1 mL 駒込ピペット
【使用試薬】
シクロヘキサン C6H12 約 1 mL
「操 作」 ※過去形で記載すること
1.100 mL 丸底フラスコとアルミホイルのキャップホイルの合計質量 m1を精密電子天秤(設置台には樹脂リングを用いる)にて計測した。
2.丸底フラスコの保温槽をつくる。スタンド・500 mL ビーカー水・温度計で構成した。
3.丸底フラスコに 1 mL 用駒込ピペットを用いてシクロヘキサン 1 mL を入れる。アルミホイルのキャップをして、中央部分
に小さなピンホールを空けた。
4.水温を約90 ℃に保ちそのときの温度t ℃を計測した。
5.過剰なシクロヘキサンがピンホールから放出されたころを見計らって、フラス
コをホイルがついたままの質量 m2を計測した。
「工夫と注意・片付けなど」
1.過剰のシクロヘキサンが揮発してくるので換気を十分に行う。残液は、有機廃
液の指定容器へ。
2.加温前と加温後のフラスコの状態が変わらない状況に保つ。
「観 察」
*実験装置図
①実験の様子がわかるように図説する。実験の過程で起こったことや観察の記録も記載し、撮影画像は一枚以上貼りつける。
②観察の様子がわかるイラスト(手書きかドローソフトやスキャニングアプリ
(iphone のメモ機能など使用)も1枚以上貼り付ける。
「結 果」
*m1やm2 から m g を求める。湯浴(ビーカー)の温度 t ℃は?
「考 察」
*ポイントを何点かに絞ってコンパクトにまとめる
1.*得られた数値 m1・m2、大気圧 PO = 1.01×105 Pa、ビーカー湯浴の温度(フラスコ内蒸気の温度とみなす) = t ℃、気体定数 R = 8.31×103〔L・Pa/(K・
mol)〕をすべて列挙する。気体の状態方程式 pV = (m/M)RT を示し、シクロヘキサンの分子量 MCHを計算値として求める過程を残しておくこと。ただし、最終的には有効数値 3 ケタにまとめる。
2.参考資料の分子量のデータと実験値と比較して、その差異について考察する。
*考察のヒント
(1)フラスコ内のシクロヘキサンはすべて気体となっていることを前提にして気体の状態方程式 pV = (m/M)RT が成り立つ。しかし、…
①過剰のシクロヘキサンが気体となってフラスコ外に出てから質量を計測したは
ず…が、加熱時間が短かったり、フラスコ内の温度が十分に上がらなかったとす
ればどういうことが起こると考えられるか?
②m2計測時にアルミホイル部分にまだ水滴が付着していたとするとどうなるか?
③アルミホイルのピンホールが大きすぎたり、実験に時間をかけ過ぎて、シクロ
ヘキサンが漏れ出して、その分空気と入れわかってしまうとどういう影響が出る
と考えられるか?
④などなど、いろいろ考えを巡らす。ただし、いずれの場合も単なる感想や「思
い」ではなく、具体的な数値を示して検討を加える。例えば、もしシクロヘキサ
ンの質量計測値に 0.01 g のプラス誤差があったとすれば、計算値はこうなって
…これくらいの影響が生じるなど。その他いろいろな要素も加わって…とまとめ
ていく。なお、実験操作が下手だからこういう結果になったという言い訳は科学論文ではない。あくまで正確な操作をした上での結果を考察する。
「参考文献等」
*最後に、レポート作成にあたって具体的に参考にした資料を記載する。
著作者,文献の書名,出版社名,出版西暦年,巻号,該当のページ. の順で書くことにな
っている。
例:紫式部 , 源氏物語 , 道長株式会社,1015,18,pp.23-35.
例:色素分析データ , 秘密結社,http://sciyoji.site/(2018.4 月現在)
*年間・月刊誌の場合は、タイトルの直後にそのまま巻や西暦をつなげる場合(源氏物語 八巻 1015)もある。区切って、巻・号など数値が続く場合は、斜体やフォントを分けたりすることもある。該当ページのみなら「p.27.」に、複数にわたる場合は「pp.」ページポジション、つまり何ページから何ページまでを記載(pp.自体を省略することも多い)する。項目の区切りは「,」で、最後
は「.」で閉じる。
*web サイトからの参考も次第に許容されるようになっている。ただし、自由に書き換えができるケースが多いので、信頼性に欠けるという考えが基本にある。図や表については、積極的に引用しても良いが、その時点の年・月を付しておく必要がある。