丸底フラスコ内の余剰のシクロヘキサンを気化させます。いったん気化したシクロヘキサンが上部で冷やされて、ビーカー内壁を伝わって落ちていく様子がわかります。これが観察されなくなれば、余分なシクロヘキサンは出て行ったとみなすわけです。その後、フラスコ全体の質量を測定し、存在するシクロヘキサンの質量を求め、気体の状態方程式で分子量を算出します。
「実験理論」
pV = nRT
実験としては、気体の状態を一定気圧P・温度Tを保ち、その気圧の体積Vと質量m〔g〕がわかれば、物質量(n=m/M)から分子量M〔g/mol〕を求めることができる。
pV = (m/M)RT
正確には、 m = m2 – m1 + m3
m2 は、 空気の密度d×フラスコ容器v×シクロヘキサン蒸気の占める割合(シクロヘキサン蒸気圧/大気圧)で求まる。
・空気の密度d:1.17 g/cm3
・フラスコ容器体積v:100 mL(cm3)
・シクロヘキサン蒸気圧:1.2×104 Pa
・大気圧:1.01×104 Pa
上記の数値から1.39×10-4 gと求まるが、精密電子天秤の精度では検出できないほど小さいため、実際の計算上では無視できると考察しておく。 → この部分は「考察」で再度述べておくとレベルが上がる。
「準 備」
【使用器具】
100 mL丸底フラスコ アルミホイル(キャップ用) 精密電子天秤 スタンド 500 mLビーカー 温度計 1 mL駒込ピペット
【使用試薬】
シクロヘキサン C6H12 約1 mL
「操 作」
「工夫と注意・片付けなど」
◇このブログで発信する情報は、取扱いに注意を要する内容を含んでおり、実験材料・操作、解説の一部を非公開にしてあります。操作に一定のスキル・環境を要しますので、記事や映像を見ただけで実験を行うことは絶対にしないで下さい。詳細は、次の3書(管理者の単著作物)でも扱っているものがありますので参考になさってください。