• 教材や実験の開発情報

空き缶に二酸化炭素をためておき、そこに水酸化ナトリウム粒を投入します。すると、気体である二酸化炭素が水酸化ナトリウムに吸収されて急減圧が起こり、パコンパコンという音を伴って缶がつぶれてしまいます。

□自発的に缶がつぶれていく…

「解 説」

空き缶をつぶすという実験は、水の三態の変化に関連して、蒸気を急冷する実験が良く知られていますが、こちらは酸塩基の中和反応を利用しています。急激な体積変化を伴うところは同様ですが、気体である二酸化炭素が水酸化ナトリウムに吸収される点で異なっています。二酸化炭素と水酸化ナトリウムの反応は…

CO2 + 2NaOH → Na2CO3 + H2O

体積を占める酸と水に溶解した水溶液間の中和反応であり、体積変化として反応を視認できるという教材となっています。環境問題に関わり、やたらやり玉にあげられている二酸化炭素ですが、弱い酸性であることを再認識できる現象です。動画からもわかる通り、意外なほどスピーディーに反応が起こり、急激な体積変化を視認できます。また、反応後に、缶の底に触れてみると、少し温かくなって、中和反応による中和熱が発生したことも体感することができます。なお、空き缶を用いていますが、二酸化炭素の分子量は約44で、空気の平均分子量が約28.8ですから、はるかに重い二酸化炭素を缶の底に集めるのに好都合なのです。 マッチの火を近づけるとスーッと火が消えることを観察させる演示も有効でしょう。


◇このブログで発信する情報は、取扱いに注意を要する内容を含んでおり、実験材料・操作、解説の一部を非公開にしてあります。操作に一定のスキル・環境を要しますので、記事や映像を見ただけで実験を行うことは絶対(!)にしないで下さい。詳細は、次の3書(管理者の単著作物)でも扱っているものが多いので参考にして下さい。




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