ドライヤーの空気の流れで数珠つなぎの風船やスチロールカップの動きを制御します。コアンダ効果、ベルヌーイの原理に関連した演示実験として行われることが多いテーマです。
「解 説」
物体の近くにある流体(液体や気体)は、物体の形に沿ってくっつくようにして流(コアンダ効果)ていきます。ピンポン球の例でいえば、ドライヤーで強制的に空気の流れを起こしているところにピンポン球を近づけますと、空気はピンポン球を包み込むように流れ、流れた先の部分では大きな流れに逆行するような小さな渦ができて、安定したポイントが生じます。動画では、上向きにピンポン球を置くので、一応は重力はかかるものの、ドライヤーからの噴出方向に対して、ピンポン球全体を包み込む流れがあるため、そのまま流れに引きずられて飛んでいってしまわないのです。スチロール皿を合わせて大きくした球体でも同様で、安定するポイントで浮遊状態を維持することができます。数珠繋ぎの風船でも、コアンダ効果によって一応の説明は可能ですが、回転体による安定の要素も加わるので少し複雑になります。
一般の科学イベントでは、出力の大きい機器を用いることが多いのですが、家庭用のヘアドライヤー(600-1200W)では出力が小さいので少し工夫が必要です。数珠繋ぎ風船の場合なら、約16㎝・6個をセロテープで貼り付けたものでようやく安定します。それ以上大きくなると重量が耐えられなくなり、逆に軽すぎたり数が少なくてもうまく回転が安定しません。
スチロール皿を合わせた球体は、小さめのカップをボンドで接着したものを使用するとよいでしょう。ピンポン球は軽いので余裕で安定させることができますから、噴射口を少し傾けるようにして空気の流れにくっついている感を出すと演示効果が増します。
なお、かつてはこれらの演示実験はベルヌーイの定理に関する項目で扱われてきましたが、流体が物体の形に沿ってくっついて流れる現象を強調して、コアンダ効果として紹介されることが多くなってきました。
◇このブログで発信する情報は、取扱いに注意を要する内容を含んでおり、解説の一部を非公開にしてあります。操作には一定のスキル・環境を要しますので、記事や映像を見ただけで実験を行うことは絶対(!)にしないで下さい。詳細は、次の3書(管理者の単著作物)でも扱っているものが多いので参考にして下さい。
◇著書(単著):『サクッと!化学実験(dZERO)』『高校教師が教える化学実験室』『実験マニア(亜紀書房)』


