白い容器にまるで血液のような色が広がります。鉄(Ⅲ)イオン Fe3+ の検出のために広く実施されている呈色反応です。
「動 画」ちょっと悪趣味(?)な映像も含まれます
「解 説」三価の鉄(Ⅲ)イオン Fe3+ とチオシアン酸イオンSCN–との反応で生成するチオシアン酸鉄(Ⅲ)イオン [FeSCN]2- は血赤色を呈します。較的低濃度のFe3+でも色濃い赤い透明溶液となりますが、二価の鉄(Ⅱ)イオン Fe2+とは色を呈しないので、酸化還元反応や金属イオンの検出の一連のレパートリーに加えられることの多い反応です。
Fe3+ + SCN– → [FeSCN]2-
水溶液中で、ヘキサアクア錯体を形成しているFe3+にSCN–が配位子として入り込むことで、鮮やかな色を発します。
Fe3+ + SCN– + 5H2O → [Fe(SCN)(H2O)5]2+
動画では、疑似ナイフにチオシアン酸カリウム水溶液を付着させ、手(ゴム袋)に押し当てて、血がにじみ出てきたようなインパクトのある演出を紹介しています。手の方にもあらかじめ塩化鉄水溶液をつけてあるのですが、腐食性があるので直接肌につけることのないよう、必ずゴム製などの手袋を使用してください。印象的な反応なので授業での演示効果は高いものがあります。とは言え、悪趣味な演出であり、疑似血液であっても血が苦手な人は多いので、取り扱いには十分注意してください。
◇このブログで発信する情報は、取扱いに注意を要する内容を含んでおり、解説の一部を非公開にしてあります。操作には一定のスキル・環境を要しますので、記事や映像を見ただけで実験を行うことは絶対(!)にしないで下さい。詳細は、次の3書(管理者の単著作物)でも扱っているものが多いので参考にして下さい。
◇著書(単著):『サクッと!化学実験(dZERO)』『高校教師が教える化学実験室』『実験マニア(亜紀書房)』


