ペットボトルを用いてトルネード(竜巻)観察器をつくりました。水を入れうまく回転させると見事な渦が観察できるというものです。
「動 画」2本をつなぎ合わせたタイプ

「動 画」1本で洗剤を使用したタイプ
□すぐに回転運動は収まってしまいますが、ライトを照射すると映えます。
「解 説」
1.水と空気が入れ替わる:連結した2本のボトルをそのまま逆さにしても、水はボトッボトッと、一定のリズムで少しずつ落ちていくだけです。連結部の小さな穴の部分では、水の重量と下方の空気圧、水の表面張力が相互に関わっています。しかし、ボトルを回転させて力づくで渦をつくりますと、上のボトルからキャップの穴に向かって見事な渦が立ち上がります。遠心力によって、水はボトルの壁側に寄っていき中央部が少なくなって薄くなります。下方のボトルからは、空気が移動しようとするので、連結部の小さな穴が突破口になります。水はねじれるようにして下のボトルにすばやく落ち込むわけです。洗剤やビーズなどを仕込んでおくと、中央部分から下方に向かうV字ができ、外側の水の動きよりも内側が速いこともわかります。
もう少し詳しく説明しますと、水が下のペットボトルに移動するというよりも水と空気が入れ替わるという表現の方が正確です。キャップの穴が小さいうちは、水の表面張力の影響が大きくて、界面の安定が保たれます。しかし、一定以上の穴になると水の重量の影響が大きくなり、界面を破壊することで水が流れ込んでくるのです。ただ、ボトルは密閉されていますから、一定量の水が流れ落ちると、今度は逆に上のボトルの内圧が下がって水の流れ落ちを抑え込むようになって、いきなり全部の水が落ちるわけではありません。界面の破壊と水の落ち込みとその抑制が周期的に起こるところが観察していても興味をひくところです。
2.ペットボトル工作:この実験で用いているペットボトルは、軽くて丈夫、落としても割れず、キャップを閉めれば気密性も保てるという、簡単実験においては極めて有用な材料です。この便利な材料であるペットボトルの成分は、ポリエチレンテレフタラート(polyethylene terephthalate)という物質で、テレフタル酸とエチレングリコールが脱水縮合して連なるポリエステルです。名称を略したPETという呼び名が一般に根付くようになりました。
◇サブタイトル:トルネード知らねえーど
◇キーワード:PET 表面張力 流体 回転
◇このブログで発信する情報は、取扱いに注意を要する内容を含んでおり、解説の一部を非公開にしてあります。操作には一定のスキル・環境を要しますので、記事や映像を見ただけで実験を行うことは絶対(!)にしないで下さい。詳細は、次の3書(管理者の単著作物)でも扱っているものが多いので参考にして下さい。
◇著書(単著):『サクッと!化学実験(dZERO)』『高校教師が教える化学実験室』『実験マニア(亜紀書房)』


