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綿 花 :天然繊維~セルロース

ワタ(綿花)で作った「ひつじ」さん
ワタの花
実がはじけると中から綿毛が出てくる

身の回りの天然繊維の一例として「木綿」を紹介しました。化学物質としての成分は高分子化合物のセルロースで、β-グルコースが1.4結合で直鎖状に連なって構成されるものです。アミロースよりも水和性が乏しく、分子の並びが方向性を持つので、密度が大きく堅牢度も高くなります。植物の木部や和紙などの特性は、このセルロースの直鎖状の構造によるものです。分子内のヒドロキシ基が比較的置換反応を起こしやすいので、ニトロ化やアセチル化によって様々な化合物を作る点も特徴的です。近代になって、高分子化合物が化学合成されるようになるまで、絹や麻、羊毛と並んで天然素材の繊維として多用され、いまも高い利用価値が認められる繊維物質です。

身をまとう服・繊維の歴史は古いのですが、太古の昔から木や葉をなめしたり繊維をほぐして用いたものを一般に綿布と呼んでいまいた。近世になってから、いわゆる、ワタの花を紡いだ「綿花」を木綿というようになっているので話がややこしくなります。綿花は、通説では、中世になって大陸から渡来したとされていますが、その時期についてはかなりさかのぼるのではないかと主張する人もいるようです。


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