エタノール(沸点約-114℃)のあとに液体窒素(約-196℃)を注ぎ込むと、両物質の界面でおもしろい動きが観察される。自発的な波が起こり、次第にそれが大きくなって、ウネウネ状態が続く。
エタノールの低温での密度0.85[g/cm3]に対し、液体窒素の密度はやや小さく0.81[g/cm3]程度なので、ほぼ差がありません。また、エタノールは極性分子、窒素は無極性のため混ざりにくいということもあります。ただし、界面では、液体窒素が少し気化しており、はじめは不規則な振動が、次第に重ね合わせのあのような大きな波になるのではないでしょうか。さらに、エタノールは凍らないまま、上層の液体窒素が気化して消えていきます。注ぎ込む順序を逆にすると、この動きは起こらず、エタノールは固体となって下に沈んでしまうところも興味深いです。
◇このブログで発信している実験は、取扱いに注意を要する試薬・器具も含まれています。また、操作自体に一定のスキルを要しますので、記事や映像を見ただけで実験することのないようにお願いします。実験の詳細の多くは、特に次の3書で紹介していますので参考になさってください。