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銅の炎色反応を利用した簡単な操作で、塩素を含む有機物の判定に用いられます。

「動 画」学生による演示

□緑色の炎色が観察できる


「解 説」

1.銅の炎色反応:炎色の観察には、気体状の原子が高温に加熱する必要があります。銅線(銅の沸点約2630℃)の場合は、バーナーで加熱するだけでは原子は蒸発しませんが、塩素との化合物(塩化銅(Ⅰ)が生成しやすい)になると沸点が低くなり、イオン結晶が熱により解離して、銅が原子化しやすくなるのです。

2.プラスチック中の塩素の検出:プラスチックのような有機化合物に含まれるハロゲン(ここでは塩素)が燃焼すると、含まれる塩素がラジカルとなり、熱せられた銅の表面で塩化銅(ⅠまたはⅡ)を作りやすくなります。その一部が気化し、緑色の光を発するというものです。これは、フリードリヒ・バイルシュタインが考案した簡単なハロゲンの検出法(フッ素は不検出)として知られています。

なお、塩素を含む有機化合物が環境に悪影響を与えるということが一時期盛んに話題になり、環境学習の一環で紹介されることの多い実験でした。ただし、最近は、影響の度合いはさほど大きくなく、実践も落ち着いた感はあります。

◇サブタイトル:銅線をどうすんの?

◇このブログで発信する情報は、取扱いに注意を要する内容を含んでおり、解説の一部を非公開にしてあります。操作には一定のスキル・環境を要しますので、記事や映像を見ただけで実験を行うことは絶対(!)にしないで下さい。詳細は、次の3書(管理者の単著作物)でも扱っているものが多いので参考にして下さい。

◇著書(単著):『サクッと!化学実験(dZERO)』『高校教師が教える化学実験室』『実験マニア(亜紀書房)


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