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簡単な操作で蛍光色素(フルオレセイン)を合成します。蛍光ラインマーカーの色素や入浴剤等に加えられている色素としてよく知られている物質です。

「動 画」

無水フタル酸とレゾルシノールの脱水縮合反応によってフルオレセインを合成します。酸無水物がフェノールにアタック(芳香核親電子置換反応)することで生成した中間体から、2つの-OH基が離脱する反応が起こることによります。生成したフルオレセインは、互変異性体として、アルカリ(OH )によって水素イオンを引き抜かれると、安定した緑色の蛍光体となります。

実験操作では、濃硫酸(触媒)をガラス棒を用いて滴下する際、試験管の上端に触れさせないようにしてください。また、加熱し過ぎると色素が分解しやすいので、十数秒間炎に当てるだけで十分です。なお、少量の材料でかなりの量の色素が得られるので、あまり欲張ってたくさん作る必要はありません。

「参 考」奈良県の川が蛍光色素らしき物質で染まった件についてのインタビュー

 


◇このブログで発信する情報は、取扱いに注意を要する内容を含んでおり、解説の一部を非公開にしてあります。操作には一定のスキル・環境を要しますので、記事や映像を見ただけで実験を行うことは絶対(!)にしないで下さい。詳細は、次の3書(管理者の単著作物)でも扱っているものが多いので参考にして下さい。

◇著書(単著):『サクッと!化学実験(dZERO)』『高校教師が教える化学実験室』『実験マニア(亜紀書房)


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