• 教材や実験の開発情報

最も人気のある定番実験のひとつですが、操作難度が高く成功率は意外なほど低いようです。上手に焼き上げるポイントを解説します。

「動画1」ザラメを用いて

「動画2」重曹のタネを入れるタイミングを詳しく

「動画3」イベントでの学生による実演記録映像


◇サブタイトル:おお、カルメ~ン!

◇キーワード:熱分解 物質量 化学反応式

◇「操 作」※使用する器具の大きさやコンロの影響があるのであくまで目安です。

  1. すりこぎ棒(小)と重曹タネ(重曹:卵白:砂糖 = 10:3:2)を容器に準備しておく。すりこぎ棒(小)の先端にはタネを十分に付着させておく。
  2. おたまに40 gの砂糖・水16 mLを直接入れる。
  3. コンロ上で中火で加熱する。200 ℃ 計をかき混ぜ棒として使用し、110 ℃らいまで温度を急上昇させる。
  4. 弱火にして余熱でゆっくり温度上昇させていく。
  5. 粘性が高まり、発生した泡が急に小さく消えにくくなっていく様子を観察する。
  6. 温度上昇が続いてそのままだと120 ℃を超えそうだと判断できた時点で火を止める。
  7. 温度上昇が止まらない(過熱)しそうな場合は、いったんコンロから離してステンレス皿(耐熱実験台上)に置いて放熱させる。 → 15秒以内
  8. 泡が少なくなり透明(薄茶色:紅茶のよう)になったところで、すりこぎ棒で重曹タネを加えて激しくかき混ぜる。 → 20秒程度 ただし、急に粘りが出て、おたまの底が見える(結晶化)くらいになったらかき混ぜをやめる。
  9. 膨張するにまかせてしばらく放置する。
  10. おたまの底側を再加熱して溶かしてから取り出す。 → おたまの底側は辺縁部だけを30秒程度加熱するとよい。底面の中心部を加熱するとその部分ばかりが融けてしまい取り出しにくくなるので注意。

「注意と工夫」

  1. 温度はあくまで目安であって、使用する材料の総量、おたまの種類や気温、コンロの形状や出力によってだいぶ幅がある。
  2. おたまや温度計に付着した砂糖や焦げはお湯につけて取り除くとよい。

「解 説」

炭酸水素ナトリウムの熱分解が起こる:砂糖水は加熱によって水分が抜け、次第に粘性が大きくなっていきます。水分が一定の含有量のところで加熱を停止すると、細かい砂糖の結晶化が起こります。その際に重曹を加えると、その成分である炭酸水素ナトリウムが熱分解して、二酸化炭素と水が生成します。特に二酸化炭素は、ベースとなる素材中でぶくぶくと泡となって発生してくるので、砂糖の結晶化の過程でも、空間を持ついわゆるエアイン構造が残ることになるのです。なお、ザラメを用いることが多いのですが、グラニュー糖を用いても最終的にはやや褐色になって香ばしい匂いが感じられるものとなります。これらは糖質の加熱によって起こる一般的な現象で、複雑な網目構造をつくるカラメル化によるものです。
なつかしい味?:ある一定の年齢層の方にかるめ焼きについての思い出をお聞きしますと、その甘さへの郷愁以上に、どこか苦々しい味も思い出してしまうものだといいます。あの食糧難の時代の記憶が重なり、とても「むかし懐かしい」という表現は、素直に受け入れられないという方もおられるようでした。しかし、中学理科教科書にも掲載されている項目であるのに、学校現場では、やれ火を使うなとか、食べさせて「何か(?)」あったらどうするんだ、というコンプライアンスの標的にされている現実もあるようです。学校はもちろんのこと、公民館や地域行事でも、最近は、こういった楽しい実験教材が姿を消しつつあります。ともあれ、人工的な味に慣れきった飽食の時代の子ども達に、素朴な砂糖菓子の味を楽しんでもらう機会としてみてはいかがでしょう。


◇このブログで発信する情報は、取扱いに注意を要する内容を含んでおり、実験材料・操作、解説の一部を非公開にしてあります。操作に一定のスキル・環境を要しますので、記事や映像を見ただけで実験を行うことは絶対(!)にしないで下さい。詳細は、次の3書(管理者の単著作物)でも扱っているものが多いので参考にして下さい。


コメント一覧

返信2020年7月5日 9:32 AM

らくらくサイエンスLAB(ラボ)速報! : ASOMANABO ~クリエイティブ複合ならいごとスペース~23/

[…] 次回「カルメ焼きをつくる」http://sciyoji.site/sciyoji/soko_karume/ […]

返信2019年10月29日 9:05 AM

カルメ焼き | らくらく理科教室25/

[…] カルメ焼きの実験関連の情報 → カルメ焼き […]

カルメ焼き | らくらく理科教室 へ返信する コメントをキャンセル

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