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ススが少なく、簡便な燃料として使われているアルコール固形燃料を作ってみました。金属塩を添加すればカラフルな炎になります。

「動 画」準備中

「操 作」※簡略版

  1. 酢酸カルシウム 5g を約5 mlの水に溶解させ飽和させる。
  2. 完全に溶けたことを確認し、これをピペットで適量取り、30  mLのエタノールに加えていく。
  3. 生成する固形物を薬さじでアルミカップ等に移し、炎色反応を示す結晶(塩化リチウム・塩化銅など)を適量振りかけ、砂浴や金網の上で点火する。

「注意と工夫」

  1. 酢酸カルシウムは、温度が高くなると溶解度が下がるので冷水で飽和させます。飽和していないときれいなゼリー状の固形物は得られにくくなるのでよく溶かして下さい。
  2. 炎色反応を示す結晶塩としては、リチウムや銅、バリウム塩が効果的です。

「解 説」
ゲル生成時にエタノールが取り込まれる:酢酸カルシウムを溶解させていた水はエタノールと混じり合いますが、酢酸カルシウムの方はエタノールにほとんど溶解しません。そのため、飽和状態の酢酸カルシウムが析出してくるのですが、その際にコロイド粒子となって隙間のある網目構造を作ります。隙間に燃料となるエタノールが取り込まれ、液全体は凝結(ゲル化)してゼリー状の固形物となるというものです。この固形燃料は、携帯燃料として野外調理や宴会時の小ナベ料理等で目にすることがあります。ススはほとんど出ませんし、揮発性が大きいため火勢も強いので重宝です。ただ、市販の固形燃料には、酢酸カルシウムよりはるかにR基の長いステアリン酸等が使われているようです。なお、封を解けばエタノールはすぐに揮発してしまうので、長時間放置すると実用になりません。


◇このブログで発信する情報は、取扱いに注意を要する内容を含んでおり、実験材料・操作、解説の一部を非公開にしてあります。操作に一定のスキル・環境を要しますので、記事や映像を見ただけで実験を行うことは絶対(!)にしないで下さい。詳細は、次の3書(管理者の単著作物)でも扱っているものが多いので参考にして下さい。




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