過酸化水素水にある物質を加えると大量の泡が発生してきます。過酸化水素の触媒による分解反応の結果なのですが、その様子が実にユーモラスです。海外では「象の歯磨き」としても知られている現象です。
「動 画」象の歯みがき:ドクロバージョン_学生による演示
□絵の具を使うと効果が増します
「動 画」ヤフー映像トピックス
□Yahoo!ジャパンから映像コンテンツとして配信されたものです。
「準備・操作」web非公開
「注意事項」
1. 過酸化水素を皮膚に付けないように注意する。
2. 発生する泡の処理を考えて一定のスペースを確保しておく。
「解 説」
1. 過酸化水素の分解による酸素の泡
過酸化水素が分解して酸素が生成し、あらかじめ加えておいた洗剤の効果で、細かい泡がとぎれることなく発生し続けます。完全に反応が終結するまでに一定時間を要し、泡のでき方がユーモラスでビジュアル効果絶大です。化学反応としては、加えたヨウ化カリウムが、触媒として作用し、分解反応を促進するものです。反応式としては…
2H2O2 → 2H2O + O2↑
2. 過酸化物「過酸化水素」
過酸化水素は、薄めた薬剤が傷口の消毒に利用されていることから、一般にもよく知られてきた物質です。化学の学習では、酸化剤・還元剤の両方の働きをするため、様々な化学反応に関わる物質としても扱われています。この場合の例として、過酸化水素とヨウ化カリウムの組み合わせによる化学反応があります。ここでは、過酸化水素が酸化剤として働き、ヨウ化物イオンが酸化されてヨウ素が遊離してきます。ただし、この反応が起こるためには、次のように水素イオン(通常は硫酸を加える)が必要となります。
2KI + H2O2 + 2H+ → I2 + 2H2O + 2K+
監修映像:Yahoo!映像トピックス → 高画質動画
◇このブログで発信する情報は、取扱いに注意を要する内容を含んでおり、解説の一部を非公開にしてあります。操作には一定のスキル・環境を要しますので、記事や映像を見ただけで実験を行うことは絶対(!)にしないで下さい。詳細は、次の3書(管理者の単著作物)でも扱っているものが多いので参考にして下さい。
◇著書(単著):『サクッと!化学実験(dZERO)』『高校教師が教える化学実験室』『実験マニア(亜紀書房)』