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水溶液をしばらく眺めていると、星形のカワイイ感じの結晶が次々生まれてきます。暗い部屋でライトを当ててみれば、メルヘンチックな星降る夜のよう!

「動 画」実験操作解説編

「動 画」ショート動画

「解 説」

1.水溶液が飽和に達して結晶が析出する:塩化アンモニウムNH4Clは、温度による溶解度の大きい物質で、沸騰水では100 gの水に対して70 g以上も溶けるのに、室温の20 ℃まで冷やすと37 gくらいしか溶けていられなくなります。実験では、70 ℃にすれば全部溶ける量ですが、温度が低めて結晶が残っていても、その温度の溶解度に応じた溶液になっています。ただし、温度が溶解度に達しても直ちに結晶の析出は見られません。一次的に過飽和状態になって、ある種のトリガーとなる刺激が加わることで一気に結晶化が起こります。

2.塩化アンモニウム:塩化アンモニウムは、53.5 g/mol、常温で白色結晶、吸湿性を持ち、水に溶けやすいイオン結晶で水に溶解してイオンを形成します。この変化は一般に次のようなイオン反応式で表すことができます。

NH4Cl → NH4+ + Cl

塩化アンモニウム アンモニウムイオン 塩化物イオン

なお、弱塩基のアンモニア NH3 と強酸の塩化水素 HCl が反応してできる塩であるため加水分解が起こり、水溶液は弱い酸性を示します。実験で使用する市販の塩化アンモニウムは白色粉末状であることがほとんどですが、この実験のように再結晶によって析出させると星形の結晶になるところが大きな魅力の一つとなっています。


◇このブログで発信する情報は、取扱いに注意を要する内容を含んでおり、実験材料・操作、解説の一部を非公開にしてあります。操作に一定のスキル・環境を要しますので、記事や映像を見ただけで実験を行うことは絶対(!)にしないで下さい。詳細は、次の3書(管理者の単著作物)でも扱っているものが多いので参考にして下さい。




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