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合成繊維で知られるナイロンをつくります。高分子化学の定番実験としてよく取り上げられますが、世界初の合成繊維として意義深い実験です。

「動 画」セバシン酸ジクロリドを用いた簡便な方法

◻︎常温で反応が進む

「解 説」

1.縮合重合が多数か所で起こる

基本はカルボン酸とアミンのエステル脱水縮合ですが、構成骨格の炭素鎖の端部分にそれぞれの官能基がついているため、多数の分子間で縮合が起こります。生成する物質は、直鎖上の巨大分子鎖となって連なる繊維を構成するところが特徴的です。この実験材料では、カルボン酸としてセバシン酸ジクロリド、アミンにはヘキサメチレンジアミンを用いていて、それぞれの炭素鎖の炭素数がそれぞれ6個と10個になるので、生成物はナイロン6,10となります。ナイロンは、長い鎖状分子のアミド結合間で水素結合が働き、適度な強度と伸縮性、弾力性、速乾性等優れた性質持ち合わせています。

2.世界初の合成繊維

ナイロン nylon は、ポリアミド合成樹脂の種類で、世界初の合成繊維ナイロン6,6がよく知られています。ナイロン6,6は、1935年アメリカのデュポン社のウォーレス・カロザースによって合成され、その後の化学繊維産業の興隆に大きな業績を残しました。商品としては、女性用のストッキングに用いれ『鋼鉄よりも強く、クモの糸より細い』というキャッチフレーズを生みました。なお、発明者のカロザースは、合成当初は繊維としてはそれほど優れた性質は持っていないと考えていたようです。しかし、その後、生成物を伸ばして糸状に作り上げる方法を工夫し、天然の絹に代わるすばらしい繊維の合成に成功したのです。


◇実験タイトル:ナイロン6,10をつくる

◇サブタイトル:とんでもナイろん!

◇キーワード:高分子化合物 縮合重合 合成繊維


◇このブログで発信する情報は、取扱いに注意を要する内容を含んでおり、解説の一部を非公開にしてあります。操作には一定のスキル・環境を要しますので、記事や映像を見ただけで実験を行うことは絶対(!)にしないで下さい。詳細は、次の3書(管理者の単著作物)でも扱っているものが多いので参考にして下さい。

◇著書(単著):『サクッと!化学実験(dZERO)』『高校教師が教える化学実験室』『実験マニア(亜紀書房)


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