UA-119493607-1 燃えないハンカチ | らくらく理科教室
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エタノールで浸したハンカチに火をつけても燃えないことがあります。ハンカチ表面での、エタノールと水の蒸発熱の効果がエタノールの燃焼熱を上回り、ハンカチ繊維が燃焼に至らない場合です。

「動 画」理科教育法での演示実験20190627

蒸発熱は、予防接種時にアルコールで消毒するとひんやりと感じるアレです。実験の演示者が、ハンカチを揺らしていますが、ハンカチ繊維の付近でのアルコールの蒸発を促すためです。ハンカチは、より燃えにくくなるのです。なお、使用するアルコールは70%程度のエタノールが望ましいです。(一定の水分を含んでいるため)

実験プリント解説編

「サブテーマ」燃えぬ木綿のハンカチーフ

「実験目的」炎が上がるのでハンカチは燃えているように見える。しかし、液体のエタノールが気化する際に熱を必要とするため、ハンカチは必ずしも燃えないということを確認する。
「学習項目」

①  熱化学方程式 ②燃焼熱と蒸発熱

「画 像」
ハンカチはあっという間に大きな炎に包まれる。しかし、ハンカチは燃えずに無事であった。

「動 画」エタノールに浸したハンカチに点火すると炎が上がるので、確かによく燃えているように見える。しかし、液体のエタノールが気化する際に熱を必要とするため、ハンカチは必ずしも燃えないのだ。

「動画」関連演示実験

「準備物」消毒用エタノール10〔mL〕 ハンカチ ピンセット マッチ

「操作手順」 WEB非公開

「注意事項」

  1. まわりに引火しそうな物が置いていないことを確認すること。
  2. 素手ではなくゴム手袋があればより安全である。

「解説編」

  1. 発熱反応と吸熱反応が同時に起こる

発熱反応と吸熱反応を熱化学方程式を使って同時に学習させることができる。エタノールの燃焼熱は1368〔kJ/mol〕であるが、点火される時に蒸気となり、酸化燃焼により発生する熱量が他のエタノール分子の燃焼を助ける。しかし、液体のエタノールが気化する際に38.6〔kJ/mol〕もの蒸発熱が奪われる。また、消毒用エタノールは、水分を多く含むため、水の蒸発熱の影響も無視できない。よって、ハンカチ表面の温度は低く抑えられる。関連する反応のそれぞれの熱化学方程式は、次のとおりである。

エタノールの燃焼:CH3CH2OH + 3O2 = 2CO2 + 3H2O(液) + 1368kJ

エタノールの蒸発:CH3CH2OH(液) = CH3CH2OH(気) – 38.6kJ

水の蒸発    :H2O(液) = H2O(気) – 41kJ

  1. 燃えているのはエタノール

石油ストーブに点火する際、芯に火を近づけると、芯の付近から炎が燃え上がり、芯そのものは燃えにくい。燃えているのは、燃料であって、芯ではないのである。芯に供給されている燃料は、蒸発しながら燃焼を継続しているので、芯部分の表面の温度はその燃料の蒸発温度(沸点)に近い状態を維持している。また、燃焼による気体の対流が起こることも影響を与える。特に実験のハンカチの例では、水分が含まれているので燃料の燃焼が先に終結してしまい、燃えないハンカチとなるのである。試しに濃度の高いエタノールを使用すると、ハンカチが燃えてしまうことが多く、逆に水分が多くなると炎が小さく燃焼が続かないことがわかる。

「演習問題」

  1. エタノールを構造式で表しなさい。
  2. 次の変化を熱化学方程式で表しなさい。

(1)エタノールが完全燃焼する

(2)エタノールが蒸発する

(3)水が蒸発す

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◇このブログで発信している実験は、取扱いに注意を要する試薬・器具も含まれています。また、操作自体に一定のスキルを要しますので、記事や映像を見ただけで実験することのないようにお願いします。実験の詳細の多くは、特に次の3書で紹介していますので参考になさってください。


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