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中華めんをムラサキキャベツ色素に浸すと、めんの色が黄色から緑色に変わります。めん類に含まれる成分が、関係ありそうです。

「動 画」生紫キャベツを用いて

□酢が用いられている冷やしめんでは赤く染まります。


「解 説」

植物色素と色の変化:植物を鮮やかに彩る色素は、主にフラボノイド、ベタレイン、カロチノイド、クロロフィルの4種類に大別されています。この中で、紫キャベツの表面に付着している主色素は、フラボノイドの一種であるアントシアニン系色素のシアニジンアシルグリコシドです。アグリコンとして糖や糖鎖と結びついた配糖体成分で、植物界において広く存在しする抗酸化物質としても知られています。この種の色素は、水溶液の酸性度によって分子構造が変わり、光の吸収波長が推移することで色調が変化するものがほとんどです。

アントシアニンのpHによる変化:アントシアニンのpHによる色の変化は次のように説明されています。

・酸性:環に含まれる酸素がプラス(㋐)になったアントシアニジン構造をとり、青や緑などの短波長を吸収して長波長側の赤い光を反射する。

・中性:H+が減ると、ベンゼン環についた-OHのH(㋑)が使われて、=Oへの変化する。いわゆる、キノン構造をとることで、より波長の長い緑の光を吸収するようになるので、紫色(マゼンダ)に見えるようになる。

・塩基性:アルカリ性になると、その他の-OH(㋒㋓)からもH+が奪われ-Oになり、その濃度により緑~青の光が強く感じられるようになる。

めん類に含まれる「かんすい」:市販のめん類の多くに「かんすい」という成分が含まれています。一般的には海水に含まれる塩分のことですが、製麺に限っては、主に炭酸ナトリウムのことを指します。かんすいを小麦粉に加えると蛋白質(グルテン)の収斂が起こり、弾力や展延性が増すとされています。食味としてはコシや滑らかさと呼ばれる要素です。炭酸ナトリウムが混ぜ込んであるので麺は塩基性となっているわけです。


◇実験タイトル:紫キャベツ色素でカラフル麺

◇サブタイトル:ミラクルカラフル麺

◇使用教材「紫キャベツ


◇このブログで発信する情報は、取扱いに注意を要する内容を含んでおり、解説の一部を非公開にしてあります。操作には一定のスキル・環境を要しますので、記事や映像を見ただけで実験を行うことは絶対(!)にしないで下さい。詳細は、次の3書(管理者の単著作物)でも扱っているものが多いので参考にして下さい。

◇著書(単著):『サクッと!化学実験(dZERO)』『高校教師が教える化学実験室』『実験マニア(亜紀書房)


コメント一覧


返信2022年6月14日 3:53 PM

1班24/

水の量や紫キャベツ溶液を入れる量などの具体的な指示が欲しかった。 実験Cの振った変化がみられたが振ることの説明がなかった。 全体でまとめがなかった。 最初の説明が端的でよかった。また、黒板の字も大きく見やすかった。

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