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基礎化学実験_実験NOTE

「動 画」実践記録

実験 NOTE「亜鉛メッキ」
「表 題」
銅板への亜鉛メッキ形成と加熱による合金の生成
「目 的」
亜鉛を銅板表面に還元析出(メッキ)させる化学変化と加熱溶融による合金の生成を観察する。
「概 説」
1.亜鉛の還元析出:[ 両 ]性元素である亜鉛は、塩基である水酸化ナトリウムと反
応して酸化され、テトラヒドロキソ亜鉛(Ⅱ)酸ナトリウムイオン [Zn(OH)4]
2-を生成(①)する。生じた電子は水分子と反応し、水素が還元されて(②)発生する酸化還元反応が成立する。しかし、銅板を浸すことで未反応の亜鉛側から電子が供給されてくる(局部電池ができる)ため、①の逆反応も起こってしまう。亜鉛も還元されて析出してくるのである。
① Zn + 4OH⇄ [Zn(OH)4]2- + [ 2e]

② 2H2O + 2e → [ H2 ]↑ + 2OH

銅板は単に電子の受け渡しをしているだけで、酸化還元反応には無関係である。
また、②の反応は、塩基性が強すぎるため右辺の OH-の生成にブレーキがかかりやすい。結果として、①の逆反応が量的には上回ってしまうものと考えられる。
2.合金が生成する:銅の表面に析出した亜鉛は銀色に輝き美しい金属[ 光沢 ]を
放つ。亜鉛のメッキができたところを加熱すると、溶けた亜鉛に固体の銅板の表面の一部が溶け込んで[ 合金 ]ができると考えられている。この合金は[ 黄銅 ]ま
たは真鍮(しんちゅう)として古くから知られ、黄金色をしているので、様々な装飾品に用いられてきた。
「準 備」
100mL ビーカー ゴム手袋 水酸化ナトリウム約 7g 薬包紙 亜鉛粉末 2 g ガスコ
ンロ 温度計 銅片 3 枚 ピンセット ペーパー テープ
「操 作」
1.100 mL ビーカーに水酸化ナトリウム約 7g とる。水を加えて全体量を 30 mL とし、ガラス棒を用いて完全に溶かす。 → ガラス棒洗浄!
2.薬包紙に亜鉛粉末 2 g を取り、水酸化ナトリウム水溶液に静かに入れる。
3.ガスコンロで亜鉛-水酸化ナトリウム水溶液をゆっくり加熱する。 → 温度計
を用いて約 80℃に保っておく。
4.銅片 2 枚をピンセットを用いて静かに入れ、揺り動かして反応が均一に起こるようにする。
5.光沢色の変化が落ち着いたら、ピンセットで銅片を取り出し、流し場で流水にさらしながら汚れを取る。ピンセットも同時によく洗い、ペーパーで水気を取る。
6.銀色になった金属片を1枚選び、ピンセットで火の上に軽くかざして加熱する。少し色に変化し始めたところで、火から離して空気中で放冷する。
7.完成品を実験 NOTE にテープで貼りつける。
「工夫と注意・片付けなど」
1.保護メガネ・手袋必須
2.温度計は一度用いるだけで十分であり、使用後すぐに流しで洗浄する。
3.銅板を火に入れるときは焼きすぎないようにし、手で触らないこと。
4.出来上がり品をこのプリントにテープで貼り付けること。
5.水酸化ナトリウム廃液はタンクに廃棄、ビーカー底に残った亜鉛粉末は、水酸化ナトリウム水溶液部分を洗い流した後、指定の金属製容器に廃棄する。
「観察・結果」
1.実験操作図説
・温度計 ・ピンセット ・加熱方法など
2.完成品添付
「考 察」
1.6.0 mol/L の水酸化ナトリウム水溶液を30 mL 調製したい。固体の水酸化ナトリウム何 g に水を加えて全体を 30 mL とすればよいか?
・C = n/V ※ n = m/M
6.0 = [ m/40/30/1000 ]
m = [ 7.2 ]g
2.亜鉛が還元されて単体析出メカニズムを説明しなさい。
[Zn(OH)4]2- … [錯 ]イオンとして安定
Zn
還元
Zn2+
[単体 ]Zn 析出
([ 0 ])
3.加熱によりどのようなことが起こった
考えられるか?
[熱 ]運動により
お互いに[拡散 ]
Zn
Cu
4.実験後の亜鉛粉末を回収する理由について説明しなさい。
表面の[O2 ]被膜 酸 [活性 ]化
[発火 ]のおそれがある。×紙ごみ〇金属容器


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