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プラスティックの焼却によるダイオキシン類の発生が問題になった際に話題となりました。

ある種の除草剤の製造や塩化ビニリデンが重合した樹脂(CH2CCl2)であるポリエチレンラップ類の焼却の際に有害なダイオキシン類が生成するとされます。プラスティック中に含まれる塩素が、熱せられた銅Cu(沸点2630℃)の表面で反応して塩化銅(Ⅰ)CuClが生成。このこの塩化銅(Ⅰ)の沸点は1490℃なので、より銅イオンCu+が気化しやすくなり、銅イオンが緑色の炎色反応を示すというもの。

Cu   +  -Cl-    →  CuCl    →  Cu+   →    Cu+ 

単体  有機化合物中の塩素   塩化銅(Ⅰ)     気化

2630℃             1490℃   (エネルギー吸収) (エネルギー放出)

基底状態   [励起 ]状態  [基底 ]状態

ただし、銅線に無機塩(食塩など)をつけて焼いても、塩化銅は生成しないので炎色反応は起こらず、あくまでプラスティックのような有機化合物中に塩素のようなハロゲンを含んでいる場合のみに観察されます。これは炭素との結合がちぎれて不対電子を保った状態(フリーラジカル)になり、銅と反応しやすくなるためと考えられています。

C-Cl → C Cl


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