• 教材や実験の開発情報

容器内に暖かいお湯(赤)を入れておき、左方から冷やした水(青)を静かに注ぐと、赤い水の下に青い水が潜り込んでいく様子が伺えます。空気団の現象を水溶液を用いて説明する演示モデルです。

「動 画」小さな容器での演示

2回目の演示は、境界線をはっきりと表現するために、PVAのりを入れて粘性を高めてみました。これならゆっくりと寒気団が潜り込む様子が観察できます。3回目では、牛乳を用いています。どちらかというと、気団の移動の方を重視していますが、牛乳の白色が雲のように見えてしまいます。実際には、境界面で雲が発生するという説明をすることが多いので注意が必要です。上の方から観察すれば境界は無視できるので、モクモクといかにも雲が発生しているような感じがします。

「動 画」大きめの容器(水槽)をもちいての予備実験映像


「模擬授業_実践記録」2019.11.05 H君による25分想定の模擬授業

〇導入:情報が多過ぎて復習が大変。発する文字数を精選して整理した方が良い。

〇板書:やはり文字数が多い。図説は大きすぎるくらいに。内容的に映像を活用しても良い分野だったかも。

〇描写の間:沈黙の時間をなんとか工夫して、もう少しアクティブな展開に。生徒をどう学習に向かわせるかを考える。

〇演示実験:観察のポイントを事前に説明すると良い。


「指導案例」学生による原案を掲載:一部省略

理科教育法指導案

第2学年-単元3-「前線とその周りの天気の変化」     指導者  H

学習過程 生徒学習活動 指導上の留意点
導入5分 1.     前回の授業にて学んだ、雲がどのようにしてできるか、雲の様子は時刻によって変化する、といった内容を思い出す。

・空気が膨張する

・膨張すると冷たくなる

・雲の出来方

1.     復習であるため、皆に考えさせる

黒板にあらかじめ問題を書いておく。

・空気が上昇すると上空は気圧が低いので空気が(膨張)する。(質問を波頭君に当てる。空気は気圧の低い所に行くとどうなりますか?)

・空気は膨張すると温度が(下)がる(指名:空気が膨張すると、温度はどうなりますか?)

・空気が上昇し、膨張して気温が下がり、露点より低くなると水滴ができ、さらに下がると氷の粒ができる。このような水滴や氷の粒は非常に小さいのでほとんどせず上空に浮いている。これが(雲)である(指名:雲の材料は何かな?)

1.     説明︰発問「ユーラシア大陸にある空気と太平洋にある空気どちらの方が水蒸気を含んでいるかな?また、暖かいのはどちらかな?色鉛筆で塗ってみよう。」気団についての説明を聞き、性質が異なる気団があることを理解する。(教科書175の図1を見る)

冷たい気団      暖かい気団

イラスト

2.     発問:「性質の異なる気団同士が接すると、どのようなことが起きるかな?」

→  ・ 冷たい空気が暖かい空気の上に流れていく

・冷たい空気が暖かい空気の下に流れていく

・すぐに混ざり合う

イラスト

3.     実験・観察:水溶液を用いた前線モデルの演示実験を見て、前線の出来方を理解する。

・冷たい水が暖かい水を押しのけながら進む

・暖かい水が冷たい水の上に流れていく

4.     指示:実験結果とイラストを使用し、異なる気団が接するとどうなるか確認する。

(教科書175ページの図2を見る。)

イラスト

5.     板書:前線面と前線の違いを聞いて理解する。(教科書175ページの図2と176ページの図1を見る。)

イラスト

6.     板書:前線の説明を見て、種類によって異なる特徴を理解する。(教科書177ページの図4を見る。)

寒冷前線…温暖前線よりも進むスピードが早く、通り過ぎたら冷たい風が吹く

温暖前線…通り過ぎたら暖かい風が吹く

閉塞前線…温暖前線に寒冷前線が追いついて形成される前線

停滞前線…冷たい風と暖かい風が正面からぶつかることによって形成される。ほとんど前線の位置は動かない(梅雨前線)

1.色鉛筆を用意する(5班分)

考える時間と作業を行う時間を5分程度とる。

2.密度が大きいのはどちらか考えさせる。

軽い流動体のものと重い流動体がぶつかるとどうなるか考えさせる。

答え(冷たい空気)

3.実験用具:水、お湯、水槽、絵の具(青、赤)

内容操作

⚫前に生徒を集める

ⅰ冷たい水がどのような動きをするか

ⅱ暖かい水がどのような動きをするか

ⅲ前線がどの位置に出来るか

に注目させる。

4.

冷たい空気が暖かい空気の下に潜り込むメカニズムを説明する。

冷たい空気のほうが密度が高いため。

5.(4.)で使用したイラストを流用する。違いが分かりやすくなるように色を使って板書する。1.で使用した色鉛筆を使用させる。

6.前線のイラストを描き説明する。

空気の密度に触れながら説明する。

5.で使用したイラストに矢印を書き補足説明として、前線の特徴を説明する。

また、足りない分は追加としてイラストを書く。

まとめ 1.     発問「本時の学習内容をまとめてください」板書された問題を時解き本時の復習を行う。 1.     問題を解かせるにあたり、3点のことを確実に押さえる。

ⅰ異なる気団が接するとどうなるか

ⅱ前線の進むスピードは異なる

ⅲ前線に伴う雲の種類、雨の振り方は異なる。

 


◇このブログで発信する情報は、取扱いに注意を要する内容を含んでおり、実験材料・操作、解説の一部を非公開にしてあります。操作に一定のスキル・環境を要しますので、記事や映像を見ただけで実験を行うことは絶対にしないで下さい。詳細は、次の3書(管理者の単著作物)でも扱っているものがありますので参考になさってください。

  


コメント一覧

返信2019年11月12日 4:51 PM

mura25/

言葉だけの説明だとわかりにくいなと思いました。 図の色ももっとあるとわかりやすい。 沈黙よりも和気藹々としたい。

返信2019年11月12日 4:51 PM

hammer25/

視覚情報がもう少し欲しかった。

返信2019年11月6日 10:47 AM

さいえんすヨージ25/

指導案の中に指名して答えさせるというのがあるけど、事前に当てる人を決めて(文字にする)おくというのはどうなのかな?

返信2019年11月5日 5:12 PM

さいえんすヨージ24/

板書や図描写、演示実験の際の沈黙感・間がちょっと長いので、何かコメントをしながら…うなりながらでもよいので語りを入れると良いかなと。

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