炭どうし触れさせて電流を流すと、目も眩むようなまばゆい光を発します。炭と炭のわずかな間隙で起こるアーク放電による発光現象と考えられています。
「動 画」備長炭どうしを触れさせてみた…気分はスターウォーズ?
「動 画」シャー芯を用いた場合
□備長炭とシャー芯を接触させて電気を流します。スライダックを用いるともう少し落ち着いた状態で観察が可能となります。
「解 説」
白い輝きアーク光:シャープペンシルの芯や備長炭の主成分は黒鉛であり導電性があります。芯と備長炭をわずかに接触させると、その部分の抵抗が大きくなり発熱を伴います。発熱が激しくなると、炭素の一部が蒸気となり、その炭素蒸気を導体として電流が流れるようになります。その際に起こる強い発光現象はアーク放電であると考えられます。シャープペンシル用の芯を使った通電発光の実験で、芯が焼き切れる瞬間に激しい光を発するあの現象です。直視分光器でスペクトルを撮影してみましたが、自然光に近いこともわかりました。
簡素な実験装置ですが、芯が燃焼して完全に離れる前に、リード線のクリップ部の重量が芯に加わるので、結果として備長炭との間に微妙な隙間が保たれることになります。アーク放電は、エジソンの電球より前にアーク灯としてすでに街灯として利用されていたことでも知られています。アーク灯は、炭素電極の消耗が激しく、電極間の距離を保つために炭素棒を追加していかねばなりませんでした。電球・電灯の急速な普及により、アーク灯は姿を消していきました。
◇材料:備長炭
◇参考:「サブタイトル」アークで明るく
◇このブログで発信する情報は、取扱いに注意を要する内容を含んでおり、実験材料・操作、解説の一部を非公開にしてあります。操作に一定のスキル・環境を要しますので、記事や映像を見ただけで実験を行うことは絶対(!)にしないで下さい。詳細は、次の3書(管理者の単著作物)でも扱っているものが多いので参考にして下さい。