密着したガムテープを引き離す際に、青白い光が確認できます。身近なもので試すことができる実験。
いわゆる静電気のパチパチには違いないので、実施する環境(ガスが充満している可能性があるなど)によっては注意を要する実験です。
「動 画」テレビでのコメント:電荷の偏り~火花放電の部分がカットされているのでおかしな説明になっています→ご指摘頂きました
「実験タイトル」ガムテープを引きはがすと光る
「サブタイトル」がんばってガムテープ
「キーワード」ルミネッセンス
「操 作」
1. 部屋を暗くする。
2. 軽く粘着させたガムテープを思い切り引きはがす。
「注 意」
1.部屋は完全に暗くして行うと良い。
2.ガムテープは、その都度新しい部分を使うとよい。
3.ガムテープをちぎるだけでも、断面が光るのが確認できる。
「画 像」青い光が肉眼でもはっきり見える
コマ撮影をすると青白い斑点が並んでいることがわかる
「解 説」
電荷の偏りが中和される際の放電現象
基本的には冬場にセーターを脱ぐ際のパチパチです。強く粘着したガムテープをむりやり引き離すと、粘着物質の一方がプラス、他方がマイナスというように、電荷が偏った状態が生じます。その偏った「帯電状態」を解放するべく、粘着物質の隙間に放電が起こるのです。放電時の青い光は、移動する電子が空気中の気体分子と衝突することで生じるもので、火花放電とも呼ばれています。このように物理的な力を加えることによる発光現象を、摩擦ルミネッセンスという種類に分類することもあります。同様の現象は、氷砂糖をハンマーで割ったり、岩石同士をぶつけた場合も観察することができます。フリントストーン、いわゆる火打ち石を使って火花を得るのも、摩擦ルミネッセンスを利用したものと考えられます。
なお、発光現象には、大まかに分けて2つのパターンがあります。一つは、物体の温度が高くなることによる発光で、炭が赤々と燃えることや、ニクロム線が通電により次第に赤黒い色から最後は白に近い色を出すことなどです。もう一方は、物質中にある電子が、外部の力により刺激を受けてエネルギー状態が高くなり、またすぐに元の安定した状態に戻ろうとして発する光です。このとき電子が余分なエネルギーを特定波長の可視光として放出するわけです。先述した摩擦ルミネッセンスもこちらに含まれますが、蛍光灯が電気エネルギーにより光る場合は電気ルミネッセンス、ケミカルライトのように化学反応によって起こる発光であれば化学ルミネッセンス、蛍やクラゲの発光も化学ルミネッセンスであるが、生物によるものはバイオルミネッセンスともいうこともあります。
◇このブログで発信する情報は、取扱いに注意を要する内容を含んでおり、実験材料・操作、解説の一部を非公開にしてあります。操作に一定のスキル・環境を要しますので、記事や映像を見ただけで実験を行うことは絶対にしないで下さい。詳細は、次の3書(管理者の単著作物)でも扱っているものがありますので参考になさってください。