• 教材や実験の開発情報

小麦粉を練って水にさらすと溶けきれないねばねばした成分が残ります。勇気を出して口に入れて噛んでみるとその感触はチューインガムにそっくり!しかも、その成分が良質の高タンパク質と聞けば、噛み終えたあと捨てるのがもったいなくもあります。

「動 画」水にさらしてグルテンを取り出す


実験プリント版

「実験タイトル」小麦粉からガムを作る

「サブタイトル」小麦グルテンでチューイングガム

「キーワード」グルテン 粘性

「準 備」「実験操作」「補足」「注意事項」WEB非公開

「観 察」強力粉を練って畳みを繰り返すこと20分で、いわゆるパン生地ができるので、そのあと寝かせて焼けばおいしいふっくらパンができあがるはずです。しかし、端から見れば何を思って操作を誤ったか、生地を焼くどころか水流にさらし続けるという操作を行うのです。すると生地に含まれている白っぽい成分がどんどん流れ出てきますが、だんだん生地が粘りけが出てくるのがわかります。それでも根気強く続けていると「別物」ができたという触感が得られます。例のスライムのようでもあり、軟らかいゴムのようでもありますが、ここで勇気を出して、口に入れて…

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「解 説」

1.粘りの元はグルテン:小麦粉には、6-15%のタンパク質が含まれていて、その種類は約80種にも及びます。数多くのタンパク質のうち、このねばねばした成分に最も関係があるものがグリアジンとグルテニンという二種類のタンパク質です。グリアジンはさらっとしていて伸びやすく、グルテニンは弾力に富んだ成分です。生地をこねるうちに、これら二種類のタンパクが結びついて、伸びやすく弾力のある「グルテン」が生成したのです。水にさらすうち、水溶性のデンプン質等が流れ去り、グルテン成分ばかりが残るというわけです。もちろん、この成分は超良質の高タンパクですから、普通のガムのように吐き出すのはあまりにもったいないですね。戦中戦後、物資不足の時代に、練った小麦粉から抽出したグルテンがチューインガムの代替品として利用されたという記録もあるようです。また、グルテンに少しデンプンを加えて焼くとふわふらで独特の風味をもつ「麩」が…

…省略…

2.パンやうどんの「コシ」にも関係あり:小麦粉を使った食べ物は古今東西、世界各地にあるわけですが、グルテンの粘り気の性質は目的にあった使い方がなされています。一般には、グルテンの元となるタンパク質成分が多い種類から強力粉・中力粉・薄力粉などという分類がされています。特に、グルテンの粘りをうまく利用した食べ物が、パンでありうどんなどの麺類であることは論を待ちません。パンの場合は、デンプン質を含むグルテンが作るネットワークに酵母の吐き出す気泡が分散しやすくなることであの独特な柔らかい触感が得られるわけですし、いわゆるうどんやパスタのコシもグルテンの粘りが大きく関与しています。コシのある打ちたてのうどんやそば、パイ生地の食感はたまらないものです。でも逆にグルテンの粘りが邪魔になる場合もあります。天ぷらやお菓子類を作るときには、できるだけグルテンが生成しないような調理の工夫をしなければなりません。グルテンの生成を促進するのが、練りと温度です。まず、粘りをあまり出したくなければ、こね過ぎないことです。天ぷらを揚げるときにも、サクサクさらっと食材を通すだけの感じで…

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◇このブログで発信する情報は、取扱いに注意を要する内容を含んでおり、実験材料・操作、解説の一部を非公開にしてあります。操作に一定のスキル・環境を要しますので、記事や映像を見ただけで実験を行うことは絶対にしないで下さい。詳細は、次の3書(管理者の単著作物)でも扱っているものがありますので参考になさってください。

  


コメント一覧

返信2022年8月17日 2:37 PM

ゆあ24/

すごく簡単でした!

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