UA-119493607-1 ヨウ素デンプン反応 | らくらく理科教室
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朝握ってもらったおにぎりをよく観察すると…ご飯のノリが接触している部分が紫色に変色していることがあります。ノリの色素が移ったわけではなさそうですが…

デンプンは、多数のグルコースが連鎖した構造を持つ巨大分子で、らせん状円筒構造を作っています。その内部にヨウ素分子が並ぶと、特定のスペクトルを吸収して紫色を呈します。この反応は、鋭敏であるため、デンプンやヨウ素、酸化剤の検出に利用されています。

デンプンの検出反応:この反応は、握り飯のデンプン質と海苔に含まれるヨウ素が起こす独特な呈色反応。アミロースなどのグルコースが連鎖した構造を持つ巨大分子は、らせん状円筒構造を作りますが、その内部にヨウ素分子が並んで複合体を構成し、特定のスペクトルを吸収して紫色を呈すると考えられています。この反応はかなり鋭敏であるため、デンプンやヨウ素、酸化剤の検出に利用されています。デンプンが分解していくと起こらなくなるので、アミラーゼ(消化酵素)の働きの確認に利用することもできます。時間を追ってデンプンが消化され、紫色が薄くなっていく様子を観察する実験がよく行われているようです。海藻中の他、身近なものでヨウ素と多く含むものと言えばうがい薬「イソジン」がよく知られています。流し場でうがいをする時がありますが、食物の残りかすなどとイソジンに含まれるヨウ素が反応して、青~紫色を呈するのを目にしたことがある人も多いかもしれませんね。

ヨウ素デンプン反応:濃さや種類により微妙な違いが出ます。右はアミロペクチン100%のもち米。

酵素によりグルコースに分解:デンプンは体内の酵素により、デキストリンやマルトースなどを経過し、最終的にグルコースに分解されます。体内で働く酵素としてはアミラーゼが代表的で、ヨウ素デンプン反応を利用すると、分解が進むにつれて色が薄くなっていく様子が観察できます。

上画像は、軽く咀嚼したご飯を使い、5分経過後を撮影したものです。口の中のアミラーゼが働き、色が薄くなっている様子がわかります。温度の影響も大きく、分解はせいぜいマルトース止まりだとは思われますが、次第にデンプンのアミロース構造が壊れていくことによる変化です。なお、古代にはこのように口で噛んで米を糖化させ、自然の酵母の働きによって酒を作り出す方法がとられていたそうです。

「動 画」片栗粉に胃薬(分解酵素入り)を入れてその効果を確認する実験

「動 画」デンプンを6 mol/L硫酸で加水分解する操作:解説編

デンプンが分解していくと起こらなくなるため、酸やアミラーゼのような消化酵素の働きの確認に利用することもできるのです。時間を追ってデンプンが消化され、紫色が薄くなっていく様子を観察する実験がよく行われています。できれば、試薬の溶性デンプンではなく、市販の片栗粉などを使ったほうがリアル感があるのでお勧めです。しかし、種類との相性もあって事前にちょうどいい感じをつかんでおく必要があります。また、意外とヨウ素溶液とデンプン濃度の調製も難しいです。反応が強すぎると変化が見えにくいし、ヨウ素の色が強いときれいな紫が出ない…。

デンプンは酸や酵素により、デキストリンやマルトースなどの中間生成物を経て、最終的にグルコースに分解されます。ヨウ素デンプン反応を利用すると、デンプンの分解の進行具合をある程度を確認することができます。

「画 像」加水分解後の生成物(グルコース)によるフェーリング反応

フェーリング反応:分解生成物であるグルコースの還元性が確認できます。

「画 像」加熱による退色

ヨウ素デンプン反応は、加熱によっても色の退色が起こります。ヨウ素デンプン反応は60℃以上に加熱すると消えてしまいますが、可逆反応のため、冷やされてとまた呈色します。

「画 像」ジャガイモをすりおろしてデンプンを得る

生のジャガイモをすり下ろしてガーゼで漉すとかなりのデンプンが得られますが、このままでは不溶性で下の方にたまってしまいます。そこで、一旦加熱してデンプンを可溶性を高めます。

「画 像」デンプン水溶液のチンダル現象

デンプン水溶液は、親水コロイドとなっているので、レーザー光をあてると見事なチンダル現象が観察できます。

◇参 考:山田暢司,化学実験室,工学社,2016,128

◇このブログで発信する情報は、取扱いに注意を要する内容を含んでおり、実験材料・操作、解説の一部を非公開にしてあります。操作に一定のスキル・環境を要しますので、記事や映像を見ただけで実験を行うことは絶対にしないで下さい。詳細は、次の3書(管理者の単著作物)でも扱っているものがありますので参考になさってください。


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