UA-119493607-1 ミカンの薄皮を溶かす | らくらく理科教室
  • 教材や実験の開発情報

缶ヅメの皮むきミカンはいったいどのようにつくられているのでしょう…誰しも一度は、疑問に思うことを実験で確認してみます。ミカンの房を酸と塩基(アルカリ)で順に作用させることで、立派な皮むきミカンができあがるのです。しかも、苦みが消えて甘みも増すような気がします。

実験プリント版

「実験タイトル」ミカンの薄皮を溶かす

「サブタイトル」変わった皮むき

「キーワード」酸と塩基 モル濃度 ペクチン

「準 備」500 mL用ビーカー 0.3mol/L 塩酸 水酸化ナトリウム 6 g フェノールフタレイン試薬 小さめのミカン2個

「実験操作」

  1. 500 mL用ビーカーに0.3 mol/L塩酸を400mL入れ、湯せん用のナベを約45 ℃まで加熱しておく。
  2. そこに、小さめのミカン2個分の房をばらして入れ、全体量が約500 mLとなるように水を加えていく。

…省略…

「補足・注意事項」

  1. ミカンの房を崩さないようにゆっくりかき混ぜること。
  2. 水酸化ナトリウムの付着した薬包紙は即破棄し、使用したガラス棒もすぐに洗うこと。
  3. 温度のチェックは、温度計で何回か確認するくらいでよい。温度計を割りばしで挟んで固定し、かき混ぜ棒とするやり方もある。
  4. 使用した酸や塩基は必ずしも食品製造のためのものではないので、出来あがった皮なしみかんを本格的に食することは好ましくない。
  5. 劇薬である塩酸や水酸化ナトリウムの代用品として重曹(炭酸水素ナトリウム)を使う方法もあるが、温度を80℃以上で短時間に処理する必要がある。

「解 説」

1.酸と塩基の反応で皮を剥く

植物の細胞壁は主にセルロースで構成されていますが、酸が加わると作用は弱いものの細胞組織が軟化してきます。また、水酸化ナトリウムを加えることでも、細胞を強くつなぎ止めている粘性の高い物質であるペクチンが溶け出してきます。この化合物は分子内に多くのカルボキシル基(-COOH)を持つ有機酸(一部はメチルエステル化)であるため、アルカリと中和反応を起こしたり、エステルの加水分解により水溶液に溶解しやすくなるのです。ペクチンのカルボキシル基部分は、アルカリと塩をつくって -COONaとなっているので、この部分はイオン性のため水によく溶けるようになるのです。ペクチンは、分子量の大きな高分子化合物なので、分子の大部分を□で表現して簡略化すると、次のようにイオン化して水に溶けやすくなります。

□-COONa  →  □-COO + Na+

できあがった皮なしミカンが甘く感じるのは、クエン酸の消耗やアルカリによるタンニン系の物質が溶出したものと考えられます。

2.ペクチン

植物組織全般には、粘性の高いペクチンという物質が含まれています。ペクチンの基本構造は、ガラツクロン酸(下図)がα-1,4-結合により重合したポリガラツクロン酸がよく知られていますが、一部がエステル化するなど官能基の数や分子量により複数の種類が存在し…

…省略…


◇このブログで発信する情報は、取扱いに注意を要する内容を含んでおり、実験材料・操作、解説の一部を非公開にしてあります。操作に一定のスキル・環境を要しますので、記事や映像を見ただけで実験を行うことは絶対にしないで下さい。詳細は、次の3書(管理者の単著作物)でも扱っているものがありますので参考になさってください。

  


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です