UA-119493607-1 ベニバナ染め | らくらく理科教室
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紅花から紅色素(カルタミン)を炭酸カリウムによりアルカリ塩として抽出します。その後、クエン酸で中和すると、弱酸である紅色素が遊離してくるので、繊維に固着させることができます。世界最古の染色法とも言われ、日本古来の伝統染色においても特筆すべき存在ともなっています。二種類の色素が含まれていて、それぞれ染色の作業も染色作品の出来映えも異なるところも魅力的です。


実験プリント版

「実験タイトル」ハンカチを紅花染めにする

「サブタイトル」紅染めにしてくれない

「学習項目」抽出 中和 酸塩基反応 繊維

「準備」ハンカチ4枚分の材料
紅花50g 染布(ハンカチ)4枚 ポリ袋 搾り用ボロ切れ 絞りデザイン用具(割りばし・タコ糸・輪ゴム・ビー玉等) ハサミ 5%炭酸カリウム水溶液500mL 容器Ⅰ(バッドまたは器具乾燥容器の受け部分) ビニール手袋 染色用容器Ⅱ(別のバッド:容積1L程度) クエン酸粉末50g 持ち帰り用ビニール袋 500mLビーカー 5%炭酸カリウム(K2CO3 )水溶液500mL クエン酸粉末50g

「操作」web非公開

「画像」末摘花として知られる・色濃くなる前の花を摘む

 

花びらを布に包んで水溶性の黄色素を絞り出す。はじめの濃い液は取っておいて黄染めにする。

 

アルカリをクエン酸で中和すると二酸化炭素が発生・繊維を薄いクエン酸液に浸すと、色素が遊離してくる。浸ると鮮やかな赤色となる

 

繊維によって発色の具合が違う・絞り染め作品

 

「注意事項」

1.  出来た染め布を塩基性溶液に触れさせないこと。

2.  流水中で布を開くとき、糸を切る際には布を切らないように注意する。

「解 説」

1.  酸の遊離を利用して繊維への固着をはかる

ベニバナには主に二種類の色素が含まれ、黄色色素を溶かし去った後に残る赤系色素がカルタミンである。花びらから色素を抽出、繊維に固着させるのは、二段階の中和反応である。紅花色素は水に溶けにくいが、分子内にフェノール性ヒドロキシ基を含む共役系構造をたくさん持っているので、炭酸カリウム水溶液を加えると、カリウム塩を形成し、水溶液に溶出してくる。そこに、紅色素よりも酸性の強いクエン酸が加わると、カリウム塩となっていた紅色素が遊離し、繊維に固着してくるのである。色素分子を□として、反応を簡略化して表現すると・・・。

-OK+ + H+ → □-OH K+

色素のカリウム塩  色素が遊離
(イオンとして溶解) (水に不溶)

2.  最古級の繊維染色技術

日本の伝統工芸おいて特筆すべき技術の紅花(ベニバナ)染め。材料である紅花は中東原産で、古くはエジプト第六王朝時代の碑文にその記述があり、繊維染色としては最古級である。日本へは、推古天皇期(594-626年)にシルクロードを経て伝えられたとされるが、最近の考古資料によると、伝来時期はかなりさかのぼるようだ。万葉時代はベニバナのことを「くれなゐ(紅)」と呼び、数首の歌に詠み込まれている。茎の先端に付いた花を摘むことから、末摘花(すえつむばな)とも呼ばれ、こちらの名の方は源氏物語でも知られている。ベニバナ色素は、古来より衣料はもちろん、化粧用の「紅」としても重宝され、価格は一時金を上回るものであったという。江戸の初期には、最上ベニバナ(現在は山形県花)が、海船で酒田~敦賀へと、大津を経て京へと運ばれていた。いわゆる「紅の道」であり、かの上杉鷹山も栽培を奨励し、米沢藩の財政立て直しに大いに貢献したとある。

◇このブログで発信する情報は、取扱いに注意を要する内容を含んでおり、実験材料・操作、解説の一部を非公開にしてあります。操作に一定のスキル・環境を要しますので、記事や映像を見ただけで実験を行うことは絶対にしないで下さい。詳細は、次の3書(管理者の単著作物)でも扱っているものがありますので参考になさってください。


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