UA-119493607-1 放射線の飛跡の観察 | らくらく理科教室
  • 都留文科大学の理科教育

放射線の飛跡を見る             

「実験目的」簡易霧箱を作成し、安全な線源から放射線の飛跡を観察する。
「学習項目」

①原子の構造:原子核 電子 陽子 中性子
②放射能とは何か:放射能の利用
③その他:イオン化 エタノール 過飽和

「動 画」専用の観察器での実験
ある企業の協力でお借りした機器を使用しています。シリンジにランタンのマントルを入れて、観察器側面から押し込むようにすると、飛跡が拡散していくように広がっていきました。一定時間その効果が持続するようです。

「動画2」ランタンから放射線
黒紙をバックにときどき白く細長い煙が、放射線が通過して生じるエタノールの霧です。塩化ビニール管をこすって静電気を起こした瞬間によく現れていました。

「動画3」少し古い映像です。

「解 説」

  1. ウィルソンの霧箱の改良版

放射線の軌跡を視覚で実感する実験です。放射線が空気を通過すると、空気を構成する原子(窒素や酸素)に当たり、その中の電子がはじき飛ばされ、陽イオンが生成します。過飽和状態の水蒸気中でこの放射線の電離作用が起こると、生成した陽イオンが凝結核となり、周囲にある水が集まって水滴が生じるというもの。放射線の道筋に沿って霧が発生するので、まるで飛行機雲のような形で飛跡が観察されるわけです。ラングスドルフ拡散型霧箱ですが、これはもともと、スコットランドの 物理学者ウィルソンの霧箱の原理として知られています。ウィルソンは、過飽和状態での霧の発生の研究を通じて、凝結核となる塵やゴミを除いても、霧のような飛跡が生じることに着目しました。彼は、空気中に生じたイオンが凝結核となっていると考え、それが放射線の電離作用によるものであるということを明らかにし、1927年のノーベル物理学賞を得ています。

  1. 放射線源はマントル

軌跡の観察には、容器内部に過飽和状態を作ることが必要です。水より揮発しやすいエタノールで、容器下部を強烈に冷却して過飽和にするためにドライアイスを用いています。放射線とは言っても、扱う放射線量はごくわずかです。大地や宇宙からの自然放射線(能)の観察も可能とされますが、実験ではキャンプ用ランタンに使われる繊維(マントル)の小片を利用しています。マントルには放射性物質(トリウム)が含まれており、石油に湿らせた繊維が燃焼する際に、より輝きを増す効果があります。また、放射線は荷電粒子で磁場の中では飛跡が曲げられるので、磁石を用いて放射線に関する学習を深めることもできます。放射線の種類は、飛跡の長さや形を比較することで放射線の大まかな区別ができるとも。α線は、太くて長めであるが、β線はちぢれて短めだそうです。


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