UA-119493607-1 ミカンの皮を使って | らくらく理科教室
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ミカンの皮をつぶすと汁が飛び出ますね。この汁を膨らませた風船に向けて放出すると、時限爆弾のように一定の時間経過後に破裂します。風船のゴム成分がミカンに含まれる成分に影響されるのですが、この成分「リモネン」という物質にはいろいろ興味深い性質があるようです。

「動画1」ミカンの汁で風船を割る。時限爆弾のように少し経ってから割れる。

「動画2」リモネンをろうそくの火中に

実験解説編

「サブタイトル」リモネンだもんね!
「キーワード」リモネン 光学異性体

「動画3」ミカンの皮をつぶして、汁を付着させて十数秒・・・で、パン!。

油の正体は「リモネン」:ミカンの皮に多く含まれるこの成分は、リモネンという物質(モノテルペン類)で、分子構造としては二種類が存在します。リモネンの構造式図で、分子の中心部分に存在する炭素原子に*印がついていますが、この炭素は立体構造において特に斉炭素原子と呼ばれているものです。この不斉炭素原子につながる原子団は、立体的な向きが違っているのですが、この物質どうしを光学異性体であるといいます。ちょうど右手と左手の関係のようなもので、構造的に似てはいるけれども物質としては別物(鏡像体)のものが存在するというわけです。特に重要な方がd-リモネンで、柑橘類の果皮に多く含まれ、その香りの元となる物質の一つです。実験では、手頃な温州ミカンを使うことが多いのですが、本格的な蒸留という操作で得るとオレンジやグレープフルーツ、レモンからたくさん得られることがわかっています。リモネンには細胞を保護する酵素の生成を促進し、胃腸の機能や免疫力を高め、中枢神経の興奮を鎮静化する作用も…

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構造が似ているものを溶かす:リモネン分子には、二重結合が二カ所ありますが、その構造がちょうどゴムの成分であるイソプレン(C5H8:が付加重合して高分子を構成している)と似ているのです。油は油を溶かしやすいとの理屈により、リモネンはゴムを溶解させやすい物質なのです。膨らんでゴム層が薄くなっている部分にリモネンが付着すれば、ゴム成分がリモネンに溶けて強度が低下し、破裂したもの考えられます。また、このリモネンは、ゴムだけでなく発泡スチロールのようなプラスティックも溶かすことができます。発泡スチロールの成分はスチレンポリマーで、やはりリモネンと分子構造が似ているのです。作るに安価容易でありながら燃やすことのできない発泡スチロールの扱いに困ることは多いのですが、このリモネンを不要のスチロール梱包材などの回収に役立てようという動きもあるようです。純度の高いリモネンはほぼ同質量の発泡スチロールを吸収するのですが、原料のリモネンそのものはもともと利用価値の少ないミカン類の皮ということで、リサイクルビジネスと…

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◇このブログで発信する情報は、取扱いに注意を要する内容を含んでおり、実験材料・操作、解説の一部を非公開にしてあります。操作自体に一定のスキル・環境を要しますので、記事や映像を見ただけで実験を行うことは絶対にしないで下さい。詳細は、次の3書(管理者の単著作物)でも扱っているものがありますので参考になさってください。


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