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アルミニウムと酸化鉄(Ⅲ)が反応して単体鉄が生成します。酸化還元反応で扱うことが多く、強い光と大量の熱が発生することも特徴的です。

□取り扱いに注意を要する実験です。


「解 説」

アルミニウムと酸化鉄(Ⅲ)の反応:アルミニウム Al と酸化鉄(Ⅲ) Fe2O3 との反応は…

2Al + Fe2O3 → Al2O+ 2Fe_⓪

この反応は酸化還元反応で、実質的な電子のやりとりに着目すると、アルミニウムは電子を3個放出して酸化されています。

Al → Al3+ + 3e …①

当時に、酸化鉄(Ⅲ) Fe2O3 の鉄原子は電子を受け取り単体の鉄 Fe に還元されます。

Fe3+ + 3e → Fe …②

①+②によって e を消去すると、

Al + Fe3+ → Al3+  + Fe _③

実際には、Fe3+ は酸化鉄(Ⅲ) Fe2O3 となっているので、③を2倍し、両辺にO32-を加えて化学反応式を完結させます。 → ⓪

テルミット反応:まばゆい光と高熱を発し一気に反応が進行します。還元されて生成した鉄が真っ赤などろっとした固まりとなって落ちてくるというダイナミックな化学変化です。得られた単体鉄は磁石で確認していますが、黒光りしていてずっしりとした重量感もあります。この反応での反応熱(酸化アルミニウムの生成熱)は、852 kJ/mol と大きく、大量の熱を発生することから、かつては鉄道のレール溶接や軍事目的においても使用されたことがありました。


◇このブログで発信する情報は、取扱いに注意を要する内容を含んでおり、実験材料・操作、解説の一部を非公開にしてあります。操作に一定のスキル・環境を要しますので、記事や映像を見ただけで実験を行うことは絶対(!)にしないで下さい。詳細は、次の3書(管理者の単著作物)でも扱っているものが多いので参考にして下さい。




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