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分光シートで溶かしたチョコレートを固めると、シート面が転写されて光の干渉によってチョコ面が虹色に輝いて見えるというものです。

「動 画」

テンパリング操作を行うと、より安定した結晶ができて、分光シートの転写がうまくいくようです。

「操 作」※あくまで概要のみ、参考程度にしてください。

  1. 50mLビーカーの保温容器をつくる。→アルミホイルとホカロンを用
  2. 分光シートをステンレストレイに置く。→分光面を表に(文字に注意
  3. チョコレート入りビーカーの底の水をタオルでふき取り、保温容器に移す。温度センサーでかき混ぜながらチョコレート完全に溶かす。
  4. スチロールカップ(冷水)でチョコレートビーカーを冷やす。→センサーでかき混ぜながら一気に26℃まで冷やす。
  5. ビーカーの底の水をタオルでふき取り、再度アルミ保温器に入れる。かきまぜながら33℃を目指す。 → テンパリング
  6. 温度センサーを置く  → スイッチオフ
  7. チョコレートをスプーンで分光シート上に流す。 → 小円状約6個は可能 あまったら棒状に
  8. 粗熱をとり、冷蔵庫で30分ほど冷やす。
  9. 分光シートからチョコレートを剥がしてティッシュペーパー上にひっくり返し観察する。 → 手で触らず分光シートを折り曲げて落とす → ペーパーで軽く包み袋に入れる。

「参考画像」

板チョコ半分量で直径3センチの小片6-7個は作ることができる。
直径8㎝の大型に挑戦!

)「解 説」

  1. チョコレートの主成分であるココアバター(カカオ油脂)は、冷えて結晶化すると密度の高い固体となるのに、溶けるときには素早く溶けだすという珍しい性質を持っています。そのココアバターの結晶は、大きく6種類の結晶の型(Ⅰ~Ⅵ)に分類され、特にその中で最もおいしい条件を備えているのがV型結晶(融点約33℃)とされています。チョコレートは口の中に入れた際の体温によって温められ溶けだす「口どけ感」がおいしさの決め手となるそうで、そのV型チョコの割合を多く作り出す方法として「テンパリング」という操作を行うことが推奨されています。テンパリングは、いったん50℃程度で溶かしたチョコを26℃まで冷やし、再度33℃まで温めます。その後は、放冷して固めればおいしいチョコとなるというものです。実際に材料となる元の板チョコを食べてから、あたらめてテンパリング済みのチョコを食べ比べてみますと、そのあまりの触感の差に驚くことでしょう。砂糖やココアバターの割合は変わっていないはずなのに、まったく別のチョコになっているのです。
  2. 実験操作では、ココアバターの結晶成長が温度変化の影響を大きく受けるので、ていねいにかき混ぜて温度差が生じないようにする工夫が必要です。温度センサー付き温度計をスプーン代わりにしてかき混ぜるのですが、分光シートに移す際は別のスプーンを用いた方がいいでしょう。容器を斜めにして移すとチョコが固化して側面にへばりつきやすいので、スプーンですくってさっさとシート上に移すことです。
  3. このカカオバターのV型は、結晶間の結びつきが強く、結晶構造がきれいにそろっているため密度がより高い状態で固体となります。分光シート上でも安定した結晶が生成され、光の干渉も観察しやすくなると考えられます。また、材料のチョコとしては、比較的カカオバターの含有率が高いメーカーで色の濃いタイプがお勧めです。動画では、明治のブラックチョコレートを用いています。

「推奨材料」リンク先で購入可能


「参 考」」理科の備忘録:虹色のチョコレート

◇このブログで発信する情報は、取扱いに注意を要する内容を含んでおり、実験材料・操作、解説の一部を非公開にしてあります。操作に一定のスキル・環境を要しますので、記事や映像を見ただけで実験を行うことは絶対(!)にしないで下さい。詳細は、次の3書(管理者の単著作物)でも扱っているものが多いので参考にして下さい。




コメント一覧

返信2022年10月20日 12:47 PM

匿名26/

チョコレートを虹色にする分光シートは どんなタイプのシートを使用すれば良いのでしょうか? シールタイプではダメですよね?

    返信2022年10月26日 4:49 PM

    さいえんすヨージ25/

    >シールタイプ  ?通常の分光シート、アマゾンなどでもA4サイズ2000円内で購入できるもので十分使えます。 

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