化学基礎実験_実験NOTE
No.7 ※番号なし文字のみ!
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「表 題」
強塩基水溶液(劇物)を扱う実験_メチレンブルーの酸化還元反応
「目 的」
水酸化ナトリウムとグルコース(還元性)を用いて、メチレンブルーの色変化を観察する。
「概 説」
- 酸化還元反応による色変化:メチレンブルーは、[ 酸化 ]型では濃い青色を呈し、還元型では無色透明となる。グルコースを加えることで、グルコースが[ 還元 ]剤の役割を果たし、メチレンブルーは無色透明となる。しかし、還元型で無色透明になった水溶液は、フラスコを振ると空気中の酸素に触れて反応する。酸素によって、メチレンブルー分子内の水素が奪われて、酸化型になって再び青色を呈するようになるのである。さらに、静置すれば、次第にグルコースによる還元作用の効果が上回り、水溶液はまた透明となることを繰り返す。
- 反応速度に影響する条件:このグルコースの還元作用は、[ 塩基 ]性下でより強まる。また、[ 温度 ]の影響も受けやすく、水溶液の温度を少し高めることで、反応速度は飛躍的に増大する。ただし、温度を上げ塩基濃度を高め過ぎると、グルコースが激しく酸化して褐変することもある。
- 色素「メチレンブルー」:メチレンブルーは色素の一種で、学校教材として扱われることの多い物質。特に生物分野では、光学顕微鏡で細胞[ 核 ]を観察するときの染色液(ギムザ染色)としてよく使われる。活性炭の吸着力を調べる実験、最近は光触媒の性能評価物質としても用いられるようになった。特に、光との反応による光増感作用で活性酸素の一種を発生させるので、消毒・殺菌効果があり、水槽の魚の病気に効果がある薬剤として、ホームセンターなどでも入手が可能。
「準 備」
200 mLビーカー ガスコンロ 100 mLビーカー 水酸化ナトリウムNaOH 2.0 g ガラス棒 300 mL丸底フラスコ 500 mLビーカー 50 mLビーカー グルコースC6H12O6 1.8 g メチレンブルー(ミクロスパーティル1/2杯程度) シリコン栓(8号)
「操 作」
- 水約150 mL(200 mLビーカー)をガスコンロを用いて約40 ℃程度に保っておく。これを温水として扱う。
- 100 mLビーカーに水酸化ナトリウムNaOH 2.0 gを取る。湯水50 mLを加え、ガラス棒を用いて完全に溶解させた後、300 mL丸底フラスコ(500 mLビーカー上にのせてある)に移す。さらに、残りの温水100 mLを追加する。
- グルコースC6H12O6 8 g(薬包紙)を、直接丸底フラスコに入れ、軽く振って溶かす。
- メチレンブルーを極少量(ミクロスパーティル1/2杯程度)薬方皿に取り、丸底フラスコに移して、ゴム栓(8号)で封じる。
- フラスコを軽く振り、色の変化を観察する。
- 色の変化が落ち着いたところで、再びフラスコを振る。 → 静置する操作を繰り返す。
「工夫と注意・片付けなど」
- 強塩基の扱いに注意する。肌に付着した場合は流水にさらし、薄い酢酸で洗う。→酢酸を常備しておくとよい
- 丸底フラスコの代わりにペットボトルを用いることもできるが、長期間の使用はできない。
「観察・結果」
フラスコを振って、静置した際の様子。特に液面…。
「考 察」
- フラスコ内のグルコースの濃度(C = n/V) mol/Lを求めなさい。体積は200 mLとする。※物質量n = m/M
- 色の変化のメカニズムを図説しなさい。特に次の点について考察すること。
- グルコースの役割
- 水酸化ナトリウムの役割
- 温水を用いた理由
- この実験では、「毒・劇物」を用いている。
- 「毒・劇物」の定義は何か?特に、水酸化ナトリウムは?
- 特に学校における毒・劇物の取扱いの注意事項を述べなさい。
- 操作中に手に付着してしまった場合の処置: