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化学基礎実験_実験NOTE

「欠席者用:参考資料」

No.11 

「表 題」
ダニエル電池の作製と電池性能の測定

「目 的」
亜鉛-銅によりダニエル電池を作成し、放電による変化を観察する。また、外部端子抵抗による内部抵抗の測定を試みる。

「概 説」
1.ダニエル電池の金属板付近では、亜鉛が電子を放出し亜鉛イオンとなり、銅イオンは電子を受け取って単体の銅に還元される。

Zn → Zn2+  + [ 2e ] …①

Cu2+ +  2e  → [ Cu ] …②

電子eを消去するために①+②としてまとめると…

Zn + [ Cu2+ ]→ [ Zu2+] +  Cu電子e-を消去するために①+②としてまとめると…

2.この化学変化を電気化学的にみると、

Zn2+ + 2e = Zn – 0.762V_EZn

Cu2+ + 2e = Cu + 0.340V_ECu

酸化電位E = ECu – EZn より、

Cu2+ + Zn = Cu + Zn2+ + 1.102 V この酸化電位 + 1.102 Vが、ダニエル電池の理論起電力になる。電池式は、電解液を組み合わせて次の表記になる。

([-])Zn|[Zn2+]・ZnSO4|CuSO4・[Cu2+]|Cu([+])

3.電池性能の低下:化学電池は放電の進行によって[ 電圧 ]降下が起こりやすくなる。主な要因としては、
①活物質濃度低下:反応に関わる化学物質の[ 濃度 ]が低下する。特に電極付近で激しく起こることによる。
②イオン伝導度の低下:電解質内を移動するイオンの[ 速度 ]が低下する。電解質膜の劣化もイオン伝導度の低下をもたらす。
③電極活性の低下:金属板表面の[ 触媒 ]機能が低下することによる。

4.電池性能の測定:最も簡便な方法が電池の[ 内部 ]抵抗を測定することである。内部抵抗rは、開放電圧 E の電池に抵抗Rをつないで実際に電流を流した時にかかる電圧降下の割合で、V = E – rI で表すことができる。また、抵抗にかかる端子電圧はオームの法則 V = RI により求まる。

V = E – rI   V = RI 

電流 I を消去すると内部抵抗 r

r = R[(E/V)-1]

この内部抵抗 r は、電池性能を判断するバロメータとなる。

5.回路に流れた電気量:金属板の質量の変化から、移動した電子の量がわかる。1molの物質量に相当する電子の電気量は、約96485〔C〕とわかっている(ファラデー定数)ので、おおよその電気量を算出することはできる。移動した電子の量をn〔mol〕とおくと、
電気量:Q = n(電子の量)×96485〔C〕
しかも、電気量 Q は、電流 I〔A〕が流れ続けた時間 t〔s〕の積でも表現されるので、  
電力量:Q = [ It ]〔C〕
したがって、電気を流していた時間がわかれば、平均的に流れていた電流値も算出可能である。

「準 備」
ティッシュペーパー 銅板 亜鉛板 ろ紙2枚1 mLピペット2本 0.1 mol/L硫酸亜鉛水溶液5 mL セロファン紙(半透膜) 1.0 mol/L硫酸銅水溶液5 mL バット リード線2組 モーター(電子オルゴール) ガムテープ テスター 抵抗(5~100 Ωなど)

 

「操 作」
1.0.1 mol/L硫酸亜鉛水溶液、1.0 mol/L硫酸銅水溶液をそれぞれ約3 mL試験管に準備しておく。
2.次のものを下方より順に上に積み重ねて電池セルを作成する。

①亜鉛板
②ろ紙B(1 mLピペットで0.1 mol/L 硫酸亜鉛水溶液で十分に湿らせておく)
③セロファン紙(半透膜)
④ろ紙A(1 mLピペットで1.0 mol/L 硫酸銅水溶液で十分に湿らせておく)
⑤銅板
⑥ティッシュペーパー

3.銅板と亜鉛板の折り曲げ部分に、リード線のワニ口クリップを接続し、モーター(低電圧で作動するソーラー用または電子オルゴール)を組み入れる。モータ等は安定させるためガムテープなどで固定する。

4.内部抵抗測定
(1)ソーラーモーター等を外し、開放電圧 E を測定する。
(2)そこに端子抵抗 R をつなぎ、その直後に降下した電圧 V を測定する。

「工夫と注意・片付けなど」
1.リード線やモータは濡らさないように。
2.ろ紙は破棄、金属板洗浄して返却。

「観察・結果」
1.作製した電池セルにモーターを組み入れた全体図

2.長時間放電終了後、電池を解体時の

3.各金属板やろ紙の変化の観察
①亜鉛板
・[黒 ]化:亜鉛が溶出して表面が[ 粗 ]くなる

②銅板
・[褐 ]色物質が付着してくる。

③ろ紙(銅板側)
・青色 → [薄 ]くなる

4.計測値
開放電圧 E → [     ]
端子抵抗 R ・降下電圧 V → [    ]

「考 察」
1. 電池概略図を描き、放電終了後の観察からわかることを考察しなさい。(電子やイオン移動など)

2. 計測値から内部抵抗を計算し、内部抵抗の要因について考察しなさい。
   r = R [ (E/V) – 1 ]


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